VMイメージの作成方法
VMインポートで利用するOVFテンプレートを作成するために、以下の順番に設定を行ってください。
OVFファイル
仮想マシンの設定
仮想マシンの「設定の編集」により、以下の設定を行ってください。
項目 | 設定内容 | ovfファイルのパラメーター(設定例) | 説明 |
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CPU | 変更しない | - | VMインポートする際に修正されるため設定変更は不要です。 |
メモリ | 変更しない | - | VMインポートする際に修正されるため設定変更は不要です。 |
ハードディスク 1 | OVFファイルの通過条件に記載の 「VMDKファイルのサイズチェック」を参考にサイズを指定する。 | <References>と<DiskSection>の次の値を利用します。
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仮想デバイス ノードはSCSI コントローラにする。 | - | IDEの場合、VMインポートに失敗します。 | |
仮想デバイス ノードはSCSI(0: 0)にする。 | <rasd:AddressOnParent>0</rasd:AddressOnParent> | SCSI(0:1) のままVMインポートし、後に増設ディスクをアタッチすると、 増設ディスク側をブートデバイスとして認識し、OS起動に失敗します。 | |
ハードディスク 2以降 | 削除する。 | - | 2つ目以降のハードディスクが存在するとVMインポートに失敗します。 |
SCSI コントローラ | 1つのみ接続されている状態にする。 | - | - |
ネットワークアダプタ 1 | アダプタタイプはVMXNET3かE1000を設定する。 | <rasd:ResourceSubType>VmxNet3</rasd:ResourceSubType> | VMインポートする際に削除され、再作成されます。 ※ Windows Server 2012以降、E1000はサポート対象外です。 | ※ 再作成によりMACアドレスは変更されます。 | 詳細はBroadcom社のサイトをご確認ください。 | | |
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ネットワークアダプタ 2 | アダプタタイプはVMXNET3かE1000を設定する。 | <rasd:ResourceSubType>VmxNet3</rasd:ResourceSubType> | VMインポートする際に削除され、ネットワークの指定があれば再作成されます。 再作成によりMACアドレスは変更されます。 |
ネットワークアダプタ 3以降 | 削除する。 | - | VMインポートする際に削除されます。 |
ビデオカード | 「カスタム設定の指定」に設定する。 | <vmw:Config ovf:required=“false” vmw:key=“useAutoDetect” vmw:value=“false”/> | 「設定の自動検出」の場合、VMインポートに失敗する可能性があります。 |
ビデオ メモリの合計は128MB以下に設定する。 | <vmw:Config ovf:required=“false” vmw:key=“videoRamSizeInKB” vmw:value=“4096”/> | ビデオ メモリの合計が128MB以上の場合、VMインポートに失敗する可能性があります。 | |
CD/DVD ドライブ | CD/DVD ドライブ デバイス モードは以下どちらかに設定する。 | ESXiのHost Clientの場合、クライアントデバイスが選択できないため、 直接OVFファイルを編集し、左記どちらかの設定内容に編集してください。 | |
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互換性 | 仮想マシン バージョンは以下の範囲で設定する。
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<vssd:VirtualSystemType>vmx-13</vssd:VirtualSystemType> | 左記以外の仮想マシン バージョンの場合、VMインポートに失敗します。 |
電源管理 | スタンバイ応答は以下に設定する。
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<vmw:Config ovf:required=“false” vmw:key=“powerOpInfo.standbyAction” vmw:value=“checkpoint”/> | スタンバイ応答の設定が「仮想マシンをサスペンドする」になっていると、 ゲストOSがスリープになるとサスペンド状態となり、コントロールパネルからの操作が不可となります。 |
起動オプション | ファームウェアはBIOSもしくはEFIに設定する。 | <vmw:Config ovf:required=“false” vmw:key=“firmware” vmw:value=“bios”/> | - |
OVFテンプレートの作成
VMインポートで利用するOVFテンプレートの作成は、以下のBroadcom社のサイト「OVF テンプレートのエクスポート」の手順をご確認ください。
VMware® Cloud Infrastructure Software - Export an OVF Template
ovftoolによるエクスポートを行う場合
Open Virtualization Format Tool (ovftool)を利用してOVFテンプレートを作成することも可能です。
以下のBroadcom社のサイトの「Open Virtualization Format Tool (ovftool)」の手順をご確認ください。
VMware {code}以下はコマンドの実行例になります。
$ ovftool vi://username:pass@my_vcenter/my_datacenter/vm/path/to/my_vmname my_vmname.ovf
vSphere 6.7以降の環境からエクスポートする場合の注意事項
OVFテンプレートの作成後、ovfファイルをエディタで開き、以下のラインを削除してください。
<File ovf:id="file3" ovf:href="<VM Name>.nvram" ovf:size="8684"/> <vmw:ExtraConfig ovf:required="false" vmw:key="nvram" vmw:value="ovf:/file/file3"/>
注意事項
- 仮想化基盤は定期的にアップグレードを実施しています。
アップデートの影響で、過去にインポートが成功したovfファイルでもイレギュラーなデバイス構成があると失敗します。失敗した場合はovfファイルの構成を再度確認してください。
OSの設定
- OSの起動をVMware Tools経由にてIPアドレスが取得出来ることで判断しています。
- そのため、以下の設定を行ってください。
- ネットワーク設定はDHCPを有効、または静的IPアドレスを設定していること(詳細は下記参照)
- VMware Toolsをインストールし、VMware Toolsが自動起動となっていること
- 利用していないインターフェイスがある場合は、VMware Toolsの設定で特定のインターフェイスを除外する
- 必須バージョンに満たないVMware Tools/open-vm-toolsを利用した場合、コントロールパネルおよびニフクラ APIが正常に動作しない場合があります。VMware Toolsの必須バージョンについては、以下をご確認ください。
- ニフクラの以下の機能を利用する場合は、OS初期化スクリプトのインストールを行ってください。
- VMインポートに失敗したサーバー(コントロールパネルにて「インポートエラー」と表示されたサーバー)は、3日で自動削除されます。
- 3日以内であれば、コンソールにてVMインポートに失敗したサーバーに接続し、OSの設定を修正し、再インポートすることが可能です。
ネットワークの種類とOSの設定について
ネットワークの種類ごとに必要なOSの設定は以下の通りです。
VMインポート>サーバー設定>ネットワーク | VMインポート>サーバー設定>ネットワーク>IPアドレス | OSの設定 | 説明 |
---|---|---|---|
共通グローバル | 自動割り当て、または付替IPアドレス | DHCPを有効 | DHCPによるIPアドレスを取得する設定になっていない場合は、VMインポートに失敗します |
共通プライベート | 自動割り当て、または付替IPアドレス | DHCPを有効 | DHCPによるIPアドレスを取得する設定になっていない場合は、VMインポートに失敗します |
プライベートLAN | 自動割り当て | DHCPを有効 | DHCPによるIPアドレスを取得する設定になっていない場合は、VMインポートに失敗します |
指定する | DHCPを有効 | DHCPによるIPアドレスを取得する設定になっていない場合は、VMインポートに失敗します | |
指定しない | DHCPを有効、または静的IPアドレスを設定 | IPアドレスの設定有無によらず、VMインポートは成功し、サーバーのステータスはオンラインとなります |
IPアドレスが自動割り当てとなっているネットワークの場合
- DHCPによりIPアドレスを設定しているネットワークについては、DHCPによるIPアドレス取得ができるようにする必要があります。
- 以下の設定を行ってください。
- ネットワーク設定はDHCPを有効にする
- サーバーに適用するネットワークを2つ指定する場合は、すべてのインターフェイスでDHCPを有効にする
- DHCPによるIP取得が行えるように、ネットワーク設定でMACアドレスなどの固有設定を削除する
- DHCP クライアントが自動起動になっていること
- OSのファイアウォールで外部からのDHCP Client宛ての通信(UDP68番)、内部からのDHCP Server宛ての通信(UDP67番)が許可されていること
IPアドレスが静的割り当てとなっているネットワークの場合
- プライベートLANにてIPアドレスを指定しないを選択した場合は、静的IPアドレスを利用することができます。
- プライベートLANにて利用可能なIPアドレスについては、以下をご確認ください。
クラウド技術仕様/制限値(ネットワーク:プライベートLAN)
- プライベートLANにてIPアドレスを指定しないを選択し、OSの設定にてDHCPを有効にしたVMをインポートした場合は、インポートに時間がかかり、インポート後はサーバーのステータスが異常ありと表示されます。
- サーバーに適用するネットワークを2つ指定する場合は、1つ目のインターフェイスはDHCPを有効、2つ目のインターフェイスはDHCPを有効または静的IPアドレスを設定します。
- ネットワークの順序とOSのインターフェイスのマッピングがずれる可能性があり、自動割り当てのネットワークに静的IPアドレスが設定されると、VMインポートに失敗する可能性があります。
- コントロールパネルからネットワークのMACアドレスを確認することができるため、コンソールにてサーバーに接続し、ipコマンド等でネットワークの順序とOSのインターフェイスのマッピングの状態を確認することができます。
- もしネットワークの順序とOSのインターフェイスのマッピングを任意に行いたい場合は、udevを利用することで修正することができます。
ネットワーク設定の削除とDHCPの設定
以下は、IPアドレスが自動割り当てとなっているネットワークを利用時の設定例になります。詳細は対象OSのドキュメントをご確認ください。
Red Hat Enterprise Linux/CentOS 7以降
- 以下のコマンドを使って、永続的な udev ルールをすべて削除します。
# rm -f /etc/udev/rules.d/70-persistent-net.rules
- /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth[x] を以下のように編集して、ifcfg スクリプトから固有のネットワーク情報を削除します。
DEVICE=eth[x]
BOOTPROTO=none
ONBOOT=yes
#NETWORK=10.0.1.0 <- REMOVE
#NETMASK=255.255.255.0 <- REMOVE
#IPADDR=10.0.1.20 <- REMOVE
#HWADDR=xx:xx:xx:xx:xx <- REMOVE
#USERCTL=no <- REMOVE
# UUIDなど、その他の固有な設定または不要な設定を削除します。
- HWADDR または固有の情報が削除され、DHCP 設定が維持されていることを確認します。
DEVICE=eth[x]
BOOTPROTO=dhcp
ONBOOT=yes
- サーバーに適用するネットワークを2つ指定する場合は、すべてのインターフェイスでDHCPを有効にします。
# /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth[x]
DEVICE=eth[x]
BOOTPROTO=dhcp
ONBOOT=yes
# /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth[y]
DEVICE=eth[y]
BOOTPROTO=dhcp
ONBOOT=yes
Ubuntu 18.04以降
- /etc/netplan/[x].yamlを以下のように編集して、DHCP 設定が維持されていることを確認します。
network:
version:2
ethernets:
ens[x]:
dhcp4: true
- サーバーに適用するネットワークを2つ指定する場合は、すべてのインターフェイスでDHCPを有効にします。
network:
version:2
ethernets:
ens[x]:
dhcp4: true
ens[y]:
dhcp4: true
- DHCPによるIP取得にmachine-idが利用され、IPが取得できない可能性があるため、machine-idを削除します。
echo -n > /etc/machine-id
Windows Server 2016以降
- コントロールパネルを開き、ネットワークとインターネット>ネットワーク接続からイーサネットを選択します。
- イーサネットのプロパティを開き、「インターネットプロトコル バージョン 4 (TCP/IPv4)」を選択し、プロパティをクリックします。
- 「IP アドレスを自動的に取得する」と「DNS サーバーのアドレスを自動的に取得する」にチェックを入れ、OKをクリックします。
- サーバーに適用するネットワークを2つ指定する場合は、すべてのイーサネットで上記の対応を行います。
VMware Toolsの起動の確認
- VMware Toolsの起動を確認する手順は下記を参照してください。
クラウドユーザーガイド(コンピューティング:VMware Tools操作ガイド)_VMware Tools/open-vm-toolsのステータス確認
VMware Toolsから特定のインターフェイスを除外する設定
OS内にニフクラのネットワークと接続しないインターフェイスが残っている場合、VMware Tools経由にてIPアドレスが取得出来ない可能性があります。
VMware Tools 10.2.0以降では、VMware Toolsの設定で特定のインターフェイスを除外することができます。
以下のBroadcom社のサイトの「Configure Network Interface Information」の手順をご確認ください。
VMware® Cloud Infrastructure Software - Configure Network Interface Information設定例になりますが、/etc/vmware-tools/tools.confに以下の内容を追加します。
[guestinfo]
exclude-nics=docker*,veth*
OS初期化スクリプトのインストール
- OS初期化スクリプトのインストールについては、以下をご確認ください。
クラウドユーザーガイド(コンピューティング:OS初期化スクリプトのご利用設定)
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