- オンプレミス環境に配備
-
オンプレミス環境とニフクラの環境をプライベート接続サービスなどで接続し、オンプレミス環境のOracleなどのデータベースを利用する。
- ニフクラの仮想環境に配備
-
要件に応じて配備場所を決定。
利用者が独自に導入するデータベースの製品やOSSは、利用者側で動作確認のうえ配備してください。
ソフトウェアの動作確認及びライセンスの扱いは「ソフトウェアの動作確認及びライセンスの扱いについて」の章を参照してください。
本ドキュメントの目的
本ドキュメントは、ニフクラ上でのシステム設計に必要な知識を提供し、商談対応やシステム設計を担当する方が業務を円滑に進められるようにすることを目的とします。
本ドキュメントの対象読者
ニフクラを利用して商談対応、要件定義、システム設計を行う方
オンプレミスまたはクラウド(IaaS)での商談対応、要件定義、システム設計の経験者
前提知識
システム設計やシステム運用に関する基本的な知識
OSに関する基本的な知識
インターネットやイントラネットに関する基本的な知識
セキュリティに関する基本的な知識
バックアップ、監視、冗長化などシステム設計やシステム運用に関する基本的な知識
※システム設計の経験が必要です。
仮想化技術に関する以下の基本的な知識
ハイパーバイザー、仮想サーバー、仮想ストレージ、仮想ネットワークに関する基本的な知識
VMwareに関する基本的な知識
ニフクラサービスの変更は最新のドキュメントを参照してください。
本ドキュメントは、ニフクラを用いた商談対応や要件定義、システム設計に携わる方向けに、実商談で培われた設計上のナレッジを提供します。
システム設計時のポイントをカテゴリ別に分類しています。
※利用者がニフクラ上でシステム設計や構築を行う際のナレッジを記載しています。サービスを提供するニフクラ側の作業内容は含みません。
本ドキュメントに記載しているサービスについて、利用できるゾーンやリージョンが限定されている場合があります。各サービスの提供ゾーンやリージョンは クラウド技術仕様/制限値(共通:ゾーン別機能対応表) を確認してください。
本ドキュメントは、以下の章立てで記載します。
各章で検討や留意すべき特徴的な内容をポイントとして記載します。
設計のポイントで記載した内容を適用する指針を記載します。
各カテゴリの作業レベルで、検討事項や留意事項を記載します。なお、オンプレミスと同様に検討できる項目は記載を省略しています。
各カテゴリの作業レベルで参考となる詳細ドキュメントの概要や参照先を記載します。
オンプレミスと同様に検討できる項目について
オンプレミスと同様となる設計は、本ドキュメントでは割愛します。既存のオンプレミス設計を参考にしてください。
→ アプリケーション設計の範囲で、既存設計と変わりません。
→ 以下の対応は必要ですが、バックアップ取得サイクルなどの設計は変わりません。
フルバックアップ対象を物理サーバーから仮想マシンに変更。
使用するツールなどの方式設計の見直し。
→ OSやアプリケーションより上位レイヤの冗長化は、物理サーバーやオンプレミスの仮想マシンと変わりません。ただし、仮想サーバー自体のHigh Availability (HA)など冗長化を構成する際には考慮点があります。
知識の習得
利用者がニフクラでシステムを構成する際に必要な知識を習得できます。
ニフクラが提供するサービス/機能を早い段階で適用判断が可能
本ドキュメントで提供するナレッジを活用すると以下の効果が期待できます。
システムに対する要求事項のうち、システム構成の課題を解決するための構成サンプルを提示可能
商談や要件定義などの早い段階で、ニフクラが提供するサービスや機能を利用するか、あるいは利用者側でミドルウェアなどを手配して導入するか、判断が可能
システム構成の手戻りを抑制可能
ニフクラのシステム構成に関するナレッジを習得し、システム設計の後工程になって問題が発生するような事態を抑制できます。
ニフクラでは、ニフクラが提供している製品を除き、利用者が独自に導入する製品やOSSの動作は保証しません。利用者責任で動作確認のうえ、導入してください。
例えばSQL Serverは、以下のような利用方法があります。
ニフクラがSPLAライセンスで提供する「SQL Server」を利用する。
利用者自身がSA(ソフトウェアアシュアランス)つきのボリュームライセンスで保有するライセンスをLicense Mobilityで ニフクラ 環境に持ち込み、SQL Serverを構築する。
SQL Serverを冗長化するAlwaysOn機能とその前提のWSFC機能も、利用者側で動作確認のうえ、利用してください。
※ニフクラがSPLAライセンスで提供するSQL Serverのバージョンは、 クラウド技術仕様/制限値(コンピューティング:クラウド サーバー(共有)タイプ)「選択可能なOS」項目 の最新情報を確認してください。
Oracle Databaseは、ニフクラOVMを利用してOracle Databaseライセンスを持ち込むことができる仮想サーバーを所定の方法で作成し、そのサーバーにOracle Databaseをインストールして利用できます。
BYOLするOracle Databaseライセンスに関しては、利用者の責任で予めその許諾内容を確認して、適切に使用してください。
データベース観点で設計する際は、以下の項目を検討してください。
検討項目 |
検討内容 |
選択値・条件 |
---|---|---|
独自データベースの配備 |
ソフトウェアの動作確認及びライセンスの扱いは「ソフトウェアの動作確認及びライセンスの扱いについて」の章を参照してください。 |
SAP HANAはニフクラ環境では利用不可。SAP HANA はオンプレミス環境に配備し、ニフクラ環境と連携する構成の検討が必要。 |
ニフクラRDB利用 |
|
提供中DBは以下の通り。
|
オンプレミスとの差異確認 |
|
可用性が求められるシステムでは、上図のようなアクティブ/スタンバイ構成が利用できます。この構成により、冗長化と障害時のフェイルオーバーをサポートします。
自動バックアップ設定により、指定した時間帯にバックアップが取得されます。
バックアップ取得元は以下の通りです。
データ優先:待機系からバックアップ
自動バックアップできない条件があります。詳細は クラウド技術仕様/制限値(RDB:自動バックアップ)を確認してください。
非同期レプリケーションでリードレプリカを構成できます。
PostgreSQLのストリーミングレプリケーション機能を利用すると、4つの冗長化構成パターンでデータベースを構築できます。
同期/非同期 |
パターン |
---|---|
同期 |
①アクティブ・スタンバイ完全同期 パターン |
②スタンバイ メモリ同期後応答 パターン |
|
非同期 |
③アクティブ 処理後応答 パターン |
④アクティブ メモリ処理後応答 パターン |
いずれの構成でも、障害発生時の対処としてアクティブサーバーの切り替えなどの設計をしてください。
カテゴリ項目ごとの作業概要です。
カテゴリ項目 |
作業 |
ニフクラでの作業概要 |
---|---|---|
データベース |
データベースサーバー構成の方式設計 |
データベースのサーバー構成について、信頼性などの要件を考慮して設計する。 |
データベース接続の方式設計 |
オンプレミスと同様に、業務要件やプロジェクト規模、データベースへの同時接続数などを考慮して、データベースの接続方式について設計する。 |
|
データベースデータ連携の方式設計 |
オンプレミスと同様に、データ連携方式について設計する。 |
|
データベースセキュリティの方式設計 |
データベースセキュリティポリシーに準じて検討し、実装方式を設計する。 |
|
DBMS動作規定の設定 |
オンプレミスと同様に、データベースを使用するアプリケーションなどで設定すべきDBMS動作規定について設計する。 |
|
データベース規約の方式設計 |
各種データベースオブジェクトの設計や、SQLコーディングにおける規約について設計する。 |
|
データベース格納の方式設計 |
業務グループから業務データの処理方式、使用するデータベース機能等をヒアリングし、データベースへのデータ格納方式について設計する。 |
|
データベース運用設計(定常時) |
システム全体の運用・保守設計に基づき、データベースにおける正常時運用設計をする。 |
|
データベース運用設計(障害時) |
システム全体の運用・保守設計に基づき、データベースにおける障害時運用設計をする。 |
データベースサーバーの構成は堅牢性、信頼性、可用性等のシステム要件をもとに設計してください。
要件に応じてニフクラRDBの利用か、仮想サーバー上にデータベースを構築するか検討してください。
※以下の項目等、オンプレミスと同様に検討してください。
検討項目 |
検討内容 |
---|---|
全体構成 |
システム全体でデータベースにアクセスする要素を抽出する。 |
データベースサーバー構成 |
冗長化構成とスタンドアロン構成について、データ保護/退避・可用性とコストとを考慮して構成を設計する。
以下の運用やリスクが許容できる場合はスタンドアロン構成が選択できます。
|
データベース構成 |
以下の構成について設計する。
|
データベースサーバーの構成は堅牢性、信頼性、可用性等のシステム要件をもとに設計してください。
要件に応じてニフクラRDBの利用か、仮想サーバー上にデータベースを構築するか検討してください。
※全般的な検討項目と合わせて検討してください。
留意事項 |
内容 |
選択値・条件 |
---|---|---|
データベースサーバー |
|
提供DB
冗長構成、且つプライベートLAN利用時はVIP、アクティブDB用IP、スタンバイDB用IPの設定が必須 |
データベースサーバー構成 |
ニフクラRDBで構築できる構成は以下の通り。
|
|
データベース構成 |
|
データベースサーバーの構成は堅牢性、信頼性、可用性等のシステム要件をもとに設計してください。
要件に応じてニフクラRDBの利用か、仮想サーバー上にデータベースを構築するか検討してください。
※全般的な検討項目と合わせて検討してください。
留意事項 |
内容 |
選択値・条件 |
---|---|---|
バックアップ/リストア運用 |
以下に留意して、データベースのバックアップ方式とリストア方式を設計する。
|
自動バックアップの最大世代数など仕様の詳細は クラウド技術仕様/制限値(RDB:自動バックアップ)を確認してください。 |
データベースセキュリティポリシーに準じて検討し、実装方式を設計してください。
データベースのセキュリティが破られ、情報が漏洩した際の対処方法も考慮してください。
※全般的な検討項目と合わせて検討してください。
検討項目 |
検討内容 |
---|---|
初期設定 |
以下を考慮する。
|
認証 |
以下を設計する。
|
アクセスコントロール |
以下を設計する。
|
暗号化 |
以下を設計する。
|
監査 |
以下を設計する。
|
脆弱性監査 |
以下を設計する。
|
バックアップ |
以下を設計する。
|
リソース制限 |
サービス妨害を防ぐためのリソース制限を設計する。
|
データベースセキュリティポリシーに準じて検討し、実装方式を設計してください。
データベースのセキュリティが破られ、情報が漏洩した際の対処方法も考慮してください。
※ 全般的な検討項目と合わせて検討してください。
留意事項 |
内容 |
選択値・条件 |
---|---|---|
初期設定 |
|
|
認証 |
認証方式はデータベース機能として提供。利用者管理、パスワード管理はオンプレミスと同様に設計する。 |
|
アクセスコントロール |
アクセス経路の制限はDBファイアウォールで制限可能。その他の項目はオンプレミスと同様に設計する。 |
|
暗号化 |
ニフクラで提供されているデータベースには、暗号化機能はない。 |
|
監査 |
ニフクラ上でデータベースを構築する際の全般的な検討項目など、オンプレミスと同様に設計する。 |
|
脆弱性監査 |
ニフクラ上でデータベースを構築する際の全般的な検討項目など、オンプレミスと同様に設計する。 |
|
バックアップ |
自動バックアップ、手動スナップショットと合わせて、バックアップ方式を設計する。 |
|
リソース制限 |
ニフクラ上でデータベースを構築する際の全般的な検討項目など、オンプレミスと同様に設計する。 |
業務グループから業務データの処理方式、使用するデータベース機能等をヒアリングし、データベースへのデータ格納方式を設計してください。
ヒアリング結果に基づいて、データベースの文字コード、パーティショニング、格納先等を決定してください。
ニフクラ上でデータベースを構築する際の全般的な検討項目
※ 全般的な検討項目と合わせて検討してください。
検討項目 |
検討内容 |
---|---|
文字コード決定 |
データベースの文字コードを決定する。 |
パーティショニングの検討 |
大規模表、履歴データを持つ表などが想定される場合に、パーティショニングを設計する。 |
格納先 |
データベースのインストール先、データファイルの格納先を決定する。 |
ニフクラRDB利用時の留意事項
※ 全般的な検討項目と合わせて検討してください
留意事項 |
内容 |
---|---|
文字コード決定 |
ニフクラ上でデータベースを構築する際の全般的な検討項目など、オンプレミスと同様に設計する。 |
パーティショニングの検討 |
ニフクラ上でデータベースを構築する際の全般的な検討項目など、オンプレミスと同様に設計する。 |
格納先 |
データベースのインストール先及びデータファイルの格納先は、利用者が任意に設定できない。 |
システムの定常時運用におけるシステム起動・停止、バッチ業務、ログ管理及びユーザー管理などの方式を設計します。
設計項目 |
方式設計の概要 |
|
---|---|---|
1 |
データ連携運用設計 |
以下のデータ連携運用に関して、データの同期などを考慮した運用設計を実施する。
|
2 |
セキュリティ運用設計 |
データベース運用上必要となる、以下のセキュリティ事項を考慮した運用設計を実施する。
|
3 |
監視運用設計 |
データベースにおいて破損、誤操作等の異常が発生した際に、運用管理者が迅速に対応できるよう、以下を考慮したデータベース監視設計を実施する。
|
4 |
性能運用設計 |
データベースの正常な性能を維持するための設計を実施する。 |
5 |
統計運用設計 |
データベースへの問い合わせ処理に対する応答速度を向上させるために、データベースの統計情報の運用について、オンプレミスと同様に設計する。 |
6 |
バックアップ・リストア運用設計 |
バックアップ・リストアにおいては、単純にデータベースのバックアップを取得し破損データの復元だけでなく、以下を考慮した設計を実施する。
|
7 |
保守運用設計 |
以下の項目について、運用設計を実施する。
|
システムの定常時運用におけるデータ連携運用の方式を設計します。
ニフクラ上でデータベースを構築する際の全般的な検討項目
※以下の項目等、オンプレミスと同様に検討してください。
検討項目 |
検討内容 |
---|---|
分散データベース構成でのデータ連携 |
|
データベースユーティリティを用いたデータ連携 |
|
ニフクラRDB利用時の留意事項
※全般的な検討項目と合わせて検討してください。
システムの定常時運用におけるセキュリティ運用の方式を設計します。
ニフクラ上でデータベースを構築する際の全般的な検討項目
※以下の項目等、オンプレミスと同様に検討してください。
検討項目 |
検討内容 |
---|---|
初期設定 |
システム全体のセキュリティパッチ適用方針に基づき、以下の点について、セキュリティパッチ適用方針/手順を設計する。
|
認証 |
|
アクセスコントロール |
|
監査 |
|
バックアップ |
バックアップデータの保全:バックアップデータの盗難や破壊を防ぐため、バックアップデータの保全方式を設計する。 |
ニフクラRDB利用時の留意事項
※全般的な検討項目と合わせて検討してください
留意事項 |
内容 |
---|---|
初期設定 |
ニフクラRDBの利用者がデータベースにセキュリティパッチの適用はできない。 |
認証 |
ニフクラ上でデータベースを構築する際の全般的な検討項目など、オンプレミスと同様に設計する。 |
アクセスコントロール |
|
監査 |
ニフクラ上でデータベースを構築する際の全般的な検討項目など、オンプレミスと同様に設計する。 |
バックアップ |
バックアップデータの保全については、自動バックアップ、手動スナップショットと合わせ、バックアップ方式を設計する。 |
システムの定常時運用におけるデータベース監視運用の方式を設計します。
ニフクラ上でデータベースを構築する際の全般的な検討項目
※以下の項目等、オンプレミスと同様に検討してください。
検討項目 |
検討内容 |
---|---|
プロセス監視 |
DBMSのプロセスの状態を適切に監視する。 |
状態監視 |
データベースの以下の状態を監視する。
|
メッセージ監視 (ログ監視) |
DBMSが管理するログファイルに出力される異常メッセージについて監視する。 |
性能閾値監視 |
以下の性能に影響を与える項目を監視する。
|
ニフクラRDB利用時の留意事項
※全般的な検討項目と合わせて検討してください。
留意事項 |
内容 |
選択値・条件 |
---|---|---|
プロセス監視 |
ニフクラRDBのイベント/イベント通知機能で異常検知等が可能 |
|
状態監視 |
モニタリング機能で可能 |
モニタリング項目の詳細はクラウド技術仕様/制限値(RDB:モニタリング)を確認してください。 |
メッセージ監視 (ログ監視) |
データベースエンジンのログ監視の検討を推奨 |
|
性能閾値監視 |
モニタリング情報をAPIで取得可能 |
モニタリング自体にメール通知機能なし。 |
システムの定常時運用におけるデータベース性能運用の方式を設計します。
ニフクラ上でデータベースを構築する際の全般的な検討項目
※以下の項目等、オンプレミスと同様に検討してください。
検討項目 |
検討内容 |
---|---|
データベース性能情報の収集 |
データベース性能情報収集項目について設計する。
|
実現方式 |
収集すべき性能情報を検討後、その性能情報を収集するため、ツールや採取時間を考慮した実現方式を設計する。
|
ニフクラRDB利用時の留意事項
※全般的な検討項目と合わせて検討してください。
留意事項 |
内容 |
選択値・条件 |
---|---|---|
データベース性能情報の収集 |
ニフクラ上でデータベースを構築する際の全般的な検討項目など、オンプレミスと同様に設計する。 |
|
実現方式 |
収集すべき性能情報を検討後、その性能情報を収集するため、ツールや採取時間を考慮した実現方式を設計する。
本ドキュメント内「データベース監視運用(定常時)」で要件を満たせる場合は、そちらの利用も検討してください。 |
ニフクラRDBでは、利用者によるOS上での操作はできない。 |
システムの定常時運用における統計情報運用の方式を設計します。
ニフクラ上でデータベースを構築する際の全般的な検討項目
※以下の項目等、オンプレミスと同様に検討してください。
検討項目 |
検討内容 |
---|---|
オプティマイザとオプティマイザ統計情報 |
オンプレミスと同様に設計する。 |
オプティマイザ統計情報の運用 |
ニフクラRDB利用時の留意事項
※全般的な検討項目と合わせて検討してください。
留意事項 |
内容 |
---|---|
オプティマイザとオプティマイザ統計情報 |
オンプレミスと同様に設計する。 |
オプティマイザ統計情報の運用 |
システムの定常時運用におけるバックアップ・リストア運用の方式を設計します。
ニフクラ上でデータベースを構築する際の全般的な検討項目
※以下の項目等、オンプレミスと同様に検討してください。
検討項目 |
検討内容 |
---|---|
バックアップ・リストア方式 |
要件定義におけるデータベースのバックアップリストアの定義内容を確認し、障害から復旧をする際に求められる条件を明確化したうえ、以下の項目についてバックアップ・リストア方式を設計する。
|
ニフクラRDB利用時の留意事項
※全般的な検討項目と合わせて検討してください。
留意事項 |
内容 |
選択値・条件 |
---|---|---|
バックアップ |
提供されている機能の利用を検討する。
|
|
リストア |
提供されている機能の利用を検討する。
①、②のいずれのリストア方法もリストア後のニフクラRDBは新規に作成され、IPアドレスが変更される。 |
システムの定常時運用におけるデータベース保守運用の方式を設計します。
※以下の項目等、オンプレミスと同様に検討してください。
検討項目 |
検討内容 |
---|---|
テーブルの再編成 |
一般にデータベースでは、データの追加/削除/更新が頻繁に実施されると、行移行や行連鎖などによりテーブルの断片化が発生する。 |
インデックスの再編成 |
データの削除やインデックスを構成するカラムの更新が頻繁に実施されると、不要となったインデックス領域(リーフブロック)が増加する。 |
データベース起動/停止 |
データベースの起動/停止には、一般に他の業務や機器、他製品との依存関係が存在するため、依存関係を考慮したシステム全体としての起動/停止順序を検討し、運用方式を設計する。 |
各種ログファイルの管理 |
日々作成される各種ログファイルは一般に自動で削除されず、放置すると蓄積されたログファイルによりディスク容量を圧迫する。 |
アーカイブログファイルの運用管理 |
データの追加/削除/更新処理では、処理履歴をアーカイブログファイルとして履歴管理する。 |
パーティションローテーションに伴う追加削除運用 |
パーティションを用いたローテーション運用では、以下をを考慮した運用方式を設計する。
|
ユーザーアカウント・権限の変更運用 |
データベースの利用ユーザーアカウントの変更に対する運用方式を設計する。
|
オブジェクトの変更運用 |
テーブル、ビュー、関数などのデータベースオブジェクトの追加や削除に伴う以下の対応ができるように、各々のオブジェクトに対する変更運用方式を設計をする。
|
システムの定常時運用におけるデータベース保守運用の方式を設計します。
※全般的な検討項目と合わせて検討してください。
留意事項 |
内容 |
選択値・条件 |
---|---|---|
テーブルの再編成 |
ニフクラ上でデータベースを構築する際の全般的な検討項目など、オンプレミスと同様に設計する。 |
|
インデックスの再編成 |
ニフクラ上でデータベースを構築する際の全般的な検討項目など、オンプレミスと同様に設計する。 |
|
データベース起動/停止 |
||
各種ログファイルの管理 |
ニフクラRDBではログに対して以下の操作が可能です。
あらかじめ設定したタイミング以外の、任意のタイミングにログは削除できません。 |
|
ジャーナルファイルとアーカイブログファイルの運用管理 |
自動バックアップオプションを有効にすると、ジャーナルファイル、アーカイブファイルの管理を意識せずオンラインバックアップができる。 |
自動バックアップオプションの条件に基づいたポイントでリストアが可能である。 |
パーティションローテーションに伴う追加削除運用 |
ニフクラ上でデータベースを構築する際の全般的な検討項目など、オンプレミスと同様に設計する。 |
|
ユーザーアカウント・権限の変更運用 |
ニフクラRDBで作成されるユーザーアカウントは、ニフクラRDB専用である。 |
|
オブジェクトの変更運用 |
ニフクラ上でデータベースを構築する際の全般的な検討項目など、オンプレミスと同様に設計する。 |
|
データベースのログを使用して任意の状態に復元 |
||
フェイルオーバー時の業務システムの処理 |
異常発生後、待機系がフェイルオーバーして主系となり、片系運用が開始されるまでダウンタイムが発生する。 |
フェイルオーバーやフェイルバックにかかる時間は、データベースの状態により変動する。 |
システム全体の運用・保守設計に基づいて、データベースにおける障害時運用を設計します。
ニフクラ上でデータベースを構築する際の全般的な検討項目
※以下の項目等、オンプレミスと同様に検討してください。
検討項目 |
検討内容 |
---|---|
システム障害 |
システム障害発生時の対処、対応方法について設計する。
|
データベース性能障害 |
データベース性能障害が発生した際の対応方式について設計する。 |
トランザクション障害 |
トランザクション障害が発生した際の障害対応方式について設計する。 |
ヒューマンエラー障害 |
ヒューマンエラー障害が発生した際の障害対応方式について設計する。 |
自然災害など |
自然災害などが発生した際の障害対応方式について設計する。 |
システム全体の運用・保守設計に基づいて、データベースにおける障害時運用を設計します。
ニフクラRDB利用時の留意事項
※全般的な検討項目と合わせて検討してください。
留意事項 |
内容 |
選択値・条件 |
---|---|---|
システム障害に対して信頼性を向上する冗長化構成 |
冗長化構成により、データベースの冗長化ができる。 |
|
システム障害などからのリストアに利用できるリストア機能① |
自動バックアップオプションの条件に基づいたポイントでリストアが可能 |
|
システム障害などからのリストアに利用できるリストア機能② |
任意の時点で採取したスナップショットを利用して、その時点のデータと同じ状態のデータベースを作成できる。 |
|
システム障害などからのリストアに利用できるリストア機能③ |
各DBエンジンのクライアントツールなどを利用してデータのバックアップを採取できる。 |
|
自然災害など |
||
データベースのログを使用して任意の状態に復元 |
詳細な方式例としてCDP(クラウドデザインパターン)や、システム構成の参考事例を記載します。
設計項目 |
ドキュメント掲載先 |
ドキュメント名または 本ドキュメント内のタイトル |
内容 |
---|---|---|---|
ニフクラRDB |
本ドキュメント内 |
可用性の観点を考慮した冗長化構成の事例を記載 |
|
CDP |
ニフクラRDBでデータベースを構築した事例を記載 |
||
CDP |
ニフクラRDBで冗長化機能を利用し、データベースサーバーの可用性を向上させる事例を記載 |
||
CDP |
ニフクラRDBでリードレプリカ機能を利用し、データベースサーバーのパフォーマンスを向上させる事例を記載 |
||
本ドキュメント内 |
ニフクラRDBを利用して構築したDBサーバーに障害が発生した際の動作について記載 |
||
本ドキュメント内 |
ニフクラRDBで障害が発生した際の対応方法を記載 |
クラウド技術仕様/制限値(RDB:冗長化・フェイルオーバー)を確認してください。
ニフクラRDBで障害が発生した際の対応方法を以下に記載します。
障害の種類 |
シングル構成 |
冗長構成 |
---|---|---|
主系DB障害 |
サービス停止 |
自動フェイルオーバー |
データベース異常 |
復旧作業要 |
復元方法 |
シングル構成 |
冗長構成 |
備考・注意事項 |
---|---|---|---|
手動スナップショットからの復元 |
新しいRDBインスタンスとして復元 |
新しいRDBインスタンスとして復元 |
|
自動バックアップからの復元(ポイントインタイムリカバリー) |
新しいRDBインスタンスとして復元 |
新しいRDBインスタンスとして復元 |
|
外部ツール(pg_dumpなど)からの復元 |
手動でデータをインポート |
手動でデータをインポート |
|
切り替わった主系が稼働開始後に、その時点のスナップショットやツールによるバックアップが可能です。
外部に存在するシステムとの接続の観点で設計する際には、以下の項目を検討してください。
検討項目 |
検討内容 |
---|---|
接続形態 |
接続する外部システムとの間の接続形態を確認、その接続形態を実現するための手続きにかかる期間を考慮した設計をする。
8. Trend Micro Cloud One - Workload Security なども外部サービスと接続する例となります。詳細は「ニフクラユーザーガイド(ニフクラ設計ガイド(導入設計編))_不正プログラム対策に関する留意事項」を参照
|
外部システムの仕様 |
接続する外部システムの接続仕様を確認のうえ、接続設計をする。
9. Workload Securityのマネージャサーバーなど、外部接続先のシステムでIPアドレスの変更がありえる場合は、FQDNによるアクセスが必須。
10. 接続元のIPアドレスが属するドメインを、DNSの逆引きで確認できることが必須のケースがある。
11. ニフクラが提供するESSなどの利用では、インターネットアクセスできる環境が必要。
12. 接続元のシステムで、接続先のシステムやサービスでエラーが発生した際や無応答時の際の作り込みが必要となる。
13. セキュリティ上問題がある暗号化方式(TLSv1.1より古い暗号化方式)を使ったhttpsでは接続できない。
14. 反対に、外部接続のシステムが変更できないため、古い暗号化方式のhttpsでしか接続できない。
|
ニフクラ内のシステムから、外部の公開NTPサーバーに接続する構成例
外部NTPサーバーに接続するには、以下の図①③の通り、接続元がインターネットにアクセスできる環境が必要です。
ニフクラで提供するサービスのうち、ESSなどは、インターネット上で提供されます。そのためESSなどを利用の際のネットワーク構成も同様に検討してください。
① グローバルIPを利用している仮想サーバーから外部公開のNTPへのアクセスは可能です。
② グローバルIPを利用していない仮想サーバーから外部公開のNTPへのアクセスはできません。
③ グローバルIPを利用していない仮想サーバーの時刻を同期する場合は、グローバルIPを利用している仮想サーバーを内部参照用NTPサーバーとして構築すれば時刻同期が可能です。
カテゴリ項目ごとの作業概要です。
カテゴリ項目 |
作業 |
ニフクラでの作業概要 |
備考 |
---|---|---|---|
外部接続 |
外部接続の方式設計 |
外部システムや外部サービスとの接続要件に基づいて、外部接続方式、インターフェース、通信シーケンスなどをオンプレミスと同様に設計する。 |
オンプレミスと同様に設計する。 |
外部接続データ量見積 |
外部接続にあたって必要な概算データ量を見積もり、システム全体としてのディスク容量見積もり設計に反映する。また、必要に応じ、回線速度の見積もり設計に反映する。 |
||
外部接続のための各種手続き |
外部接続にあたり、外部システムや外部サービス等の接続先や、接続先との間のネットワークなどで必要な手続きを実施する。 |
||
外部接続システム構成設計 |
外部接続にあたり、必要な ハードウェア・ソフトウェア構成を検討し、システム全体としてのシステム構成設計に反映する。 |
||
外部接続運用設計(定常時) |
システム全体の運用・保守設計に基づいて、外部接続の定常時の管理、運用方法を設計する。 |
||
外部接続運用設計(障害時) |
システム全体の運用・保守設計に基づいて、外部接続の障害時の管理、運用方法を設計する。 |
外部システムや外部サービスとの接続要件に基づいて、外部接続方式、インターフェース、通信シーケンスなどを設計します。
ニフクラのサービス/機能 |
留意事項 |
内容 |
---|---|---|
ESS(メール配信) |
ESSへのアクセス |
ニフクラのESSはインターネット上で提供されるサービスである。 |
コンテンツ配信サービス(CDN)
|
配信可能なコンテンツ |
サードパーティ製のソリューションサービスである。 |
その他 |
NTPサーバーの設定 |
ニフクラのスタンダードイメージを使用すると、VMware Toolsによる物理サーバーとの時刻同期の設定は無効となる。別途NTPサーバーを用意し、作成したサーバーの時刻同期を実施する。[15]
15. VMware Toolsの時刻同期の有効・無効にかかわらず、一部のVMware仮想化基盤およびゲストOSにおける操作により時刻同期が行われます。詳細は VMware Toolsの時刻同期についてを確認してください。
|
サードパーティ製ソリューションサービス |
サードパーティ製ソリューションサービスには、製品仕様上インターネットアクセスが必要となる製品がある。対象の製品を利用するには、インターネットへアクセスできるネットワーク構成を設計する。
|
|
OSパッチなど |
ニフクラ環境では、各OSのパッチ適用に利用できるサービスを提供していない。 |
サービス利用中のトラブルは、ニフクラサポート窓口にお願いします。
お役に立ちましたか?