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システム変更前のバックアップ
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差分・増分バックアップ前の全体バックアップ(例:週次や月次バックアップのスタートのバックアップ)
はじめに
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本ドキュメントの目的
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本ドキュメントは、ニフクラでの商談対応やシステム設計を担当される方々が、ニフクラ環境へのバックアップシステム設計に必要な知識を習得することを目的とします。
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本ドキュメントの対象読者
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ニフクラ環境へのバックアップシステムの設計をする方
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オンプレミスまたはクラウドでのバックアップシステム設計の経験者
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前提知識
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システム設計/システム運用に関する以下の基本的な知識
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OSに関する基本的な知識
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インターネット、イントラネットに関する基本的な知識
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セキュリティに関する基本的な知識
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システム設計/システム運用に関する基本的な知識 ※ システム設計経験/バックアップシステム設計経験を有することが望ましい
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仮想化技術に関する以下の基本的な知識
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ハイパーバイザ、仮想サーバー、仮想ストレージ、仮想ネットワークに関する基本的な知識
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VMwareに関する基本的な知識
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ニフクラサービスの変更は最新のドキュメントを参照してください。
バックアップ/リストア方式検討時の考慮ポイント
ITインフラの視点で見た、障害発生時の対策
障害発生時に考えるべき、重要な「3R」
事業継続に必要なシステムを選別する(RLOを決める)
業務システムに復旧の優先度を設定し、迅速な業務再開(暫定運用)させることを考える。
どの時点のデータに復旧するか決定する(RPOを決める)
業務システムごとに復旧させるデータのバックアップポイントとバックアップ方法を決める。
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バックアップ取得ポイント
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月次
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週次
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日次
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メンテナンス時
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バックアップ取得方法
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フル
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差分
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スナップショット
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トランザクションログ(DBなど)
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バックアップの保管
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ローカルのデータセンター
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他のデータセンター
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バックアップの同期
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同期
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非同期
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どの位の時間で復旧させるか決定する(RTOを決める)
業務システムごとに復旧させるデータのバックアップポイントを決める。
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バックアップの状況によってRTOは変動
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データ同期が不要なシステムのRTOは短い
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参照系のシステム
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データ同期が必須のシステムのRTOは長い
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バックアップだけでデータを戻せるか
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トランザクションログの適用の可否
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災害発生時のロストデータの復旧の方法(手入力?)
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データ復旧後の整合性の確認が重要
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自動的に整合性確認できるか
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手作業が必要か
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業務再開可能と判断する判断基準は何か
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IT管理者側のGo判断?
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システム利用者側のGo判断?
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バックアップの種類
バックアップ/リストアにかかる時間とバックアップに必要な容量を考慮し選択する。
補足説明:バックアップ種類ごとの特性
フルバックアップ |
差分バックアップ |
増分バックアップ |
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---|---|---|---|
バックアップ容量 |
バックアップ元ディスク容量×世代 |
バックアップ元ディスク容量(フルバックアップ)+世代バックアップ時点のフルバックアップからの差分容量の各世代の合計 |
バックアップ元ディスク容量(フルバックアップ)+世代バックアップ時点の前回増分バックアップからの増分(差分増分)容量の各世代の合計 |
バックアップ時間 |
バックアップ元のディスクを全てバックアップするので長い |
フルバックアップ後の差分を全てバックアップするので、世代が進むにつれて長くなる |
前回の増分以降の変更された増分のみのバックアップのため短い |
リストア時間 |
いずれかの世代から戻すだけの時間 |
フルバックアップからの復元+いずれかの世代をリストアする時間 |
フルバックアップを戻した後、フルバックアップ後の全ての世代を順番にリストアする時間が必要 |
バックアップ世代の途中からリストア |
可能 |
可能 |
不可能 |
途中の世代破損時のフルバックアップ再取得の要否 |
【不要】他のフルバックアップファイルの利用可能 |
【不要】フルバックアップの破損がなければ、他世代のバックアップファイルの利用可能 |
【必要】破損が発生した次のタイミングで、フルバックアップから取得しなおし |
利用用途 |
|
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|
不向きな利用用途 |
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ディスク全体に対する変更が多い場合、取得した差分バックアップの容量が非常に大きくなることがあるので不向き |
リストアすることが多いシステムの場合、世代が増えることでリストア時間が長くなるため不向き |
メリット |
常にオリジナルと同じ状態のバックアップを保持できる |
フルバックアップ以降の差分をす全て取得するため、一度でリストアが可能 |
バックアップに必要なディスク容量を減らせる |
ニフクラが提供しているバックアップ関連サービスの選定ポイント
選定ポイント① バックアップ対象と種類からサービスを選定する
初めにバックアップする対象を整理することで、ニフクラサービスを選定しやすくなります。
対象 |
選定可能なニフクラサービス |
---|---|
サーバー/ディスク単位(イメージバックアップ) |
|
ファイル/フォルダ単位(ファイルバックアップ) |
|
次にバックアップ取得時間やRTO,RPOを加味し選択したバックアップの種類によって、選定可能なニフクラサービスが絞られます。
バックアップ種類 |
説明 |
選定可能なニフクラサービス |
---|---|---|
フルバックアップ |
対象全てのデータが取込まれ、増分/差分の基盤となる |
|
増分バックアップ |
|
|
差分バックアップ |
|
|
選定ポイント② バックアップ要件からサービスを選定する
主なバックアップ要件に対して、選定可能なニフクラサービスは下記表を参照してください。
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主なバックアップ要件
No. |
バックアップ要件 |
---|---|
1 |
一度作成した仮想マシンを再利用したい |
2 |
小規模のバックアップを取得したい |
3 |
サーバー上で動作するアプリケーションのメンテナンスを行うため、一時的にすぐ戻すことのできる仮想マシンのイメージが欲しい |
4 |
保守のために一時的にサーバーの現在の状態を保管したい |
5 |
通常運用している仮想マシンのバックアップを、世代管理しながら自動的、定期的に取得したい |
6 |
300GBを超える増設ディスクを利用しているサーバーのバックアップを取得したい |
7 |
スモールスタートでシステムまるごとのバックアップを取得したい |
8 |
オンプレミス環境のサーバーのバックアップをネットワーク上の任意のデバイスに保存したい |
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選定可能なニフクラサービス
適合バックアップ要件 |
ニフクラサービス |
バックアップ対象 |
バックアップ種類 |
|
---|---|---|---|---|
サービス名 |
サービス概要 |
|||
1、2 |
カスタマイズイメージ |
作成したサーバーをイメージ化しテンプレートとして保存する機能。保存したイメージから新規サーバーを作成することで、元のサーバーと同じ環境を再現できます。 |
サーバー単位 |
フルバックアップ |
3、4 |
ワンデイスナップショット |
サーバーの現時点の状態をキャプチャしスナップショットとして保存する機能で、保守作業前などに利用します。起動中のサーバー、増設ディスク付きのサーバーでも保存が可能で、早急な復旧が必要な場合はキャプチャ時点に直ぐ戻すことが可能です。 |
サーバー単位 |
フルバックアップ |
5、6、7 |
バックアップ(ニフクラサービス) |
業務システムの定期バックアップのように、スケジュールを組み自動的(1日1回)に、または任意のタイミング(手動)でバックアップ可能。バックアップデータを世代管理し、特定の世代データの復元が可能です。 |
サーバー単位 |
フル/増分バックアップ |
5、6、7、8 |
バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud) |
アクロニス・ジャパン株式会社が提供するサービスで、ニフクラのサーバーや利用者のオンプレミス環境にある物理/仮想サーバー、クライアントPC/MacOSを含めたシステムをまるごとバックアップ・復元します。 |
サーバー/ディスク単位、ファイル/フォルダ単位 |
フル/増分/差分バックアップ |
選定ポイント③ リストア要件からサービスを選定する
各種バックアップサービスのリストア方法については、下記の通りです。
リストア先 |
対象 |
リストア方式 |
選定可能なニフクラサービス |
世代管理 |
---|---|---|---|---|
オンプレミス 環境内 |
ディスク/ボリューム単位 (イメージバックアップ) |
既存サーバーを上書き |
|
世代管理の詳細は バックアップ関連サービス比較表 を参照してください。 |
新しいサーバーとして作成 |
||||
ファイル/フォルダ単位 (ファイルバックアップ) |
既存サーバーを上書き |
|
||
新しいサーバーとして作成 |
||||
ニフクラNW内 |
ディスク/ボリューム単位 (イメージバックアップ) |
既存サーバーを上書き |
|
|
新しいサーバーとして作成 |
|
|||
ファイル/フォルダ単位(ファイルバックアップ) |
既存サーバーを上書き |
バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud) |
||
新しいサーバーとして作成 |
リストア先、対象、リストア方式により選定されるニフクラサービスは以下となります。
リストア先 |
対象 |
リストア方式 |
選定可能なニフクラサービス |
世代管理/保持期限 |
---|---|---|---|---|
ニフクラ内 |
サーバー/ディスク単位 (イメージバックアップ) |
既存サーバーを上書き |
|
世代管理/保持期限の詳細は バックアップ関連サービス比較表 を参照してください。 |
新しいサーバーとして作成 |
|
|||
ファイル/フォルダ単位(ファイルバックアップ) |
既存ファイル/フォルダへ上書き |
バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud) |
||
任意のファイル/フォルダ名で新規作成 |
||||
ニフクラ以外 |
サーバー/ディスク単位(イメージバックアップ) |
既存サーバーを上書き |
バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud) |
|
新しいサーバーとして作成 |
||||
ファイル/フォルダ単位(ファイルバックアップ) |
既存ファイル/フォルダへ上書き |
バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud) |
||
任意のファイル/フォルダ名で新規作成 |
ニフクラでのバックアップサービスについて 選定したサービスについての理解を深める
各種バックアップサービスの比較、技術仕様、制限値については、以下を参照してください。
※それぞれのサービス活用例については、以下「適用基準ごとのサービス活用例」を参照してください。
適用基準ごとのサービス活用例
バックアップサービスの活用例
Web-DB構成でサーバー内データをバックアップ
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バックアップ方法
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バックアップルールを作成することで定期実行が可能です。
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リストア方法
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バックアップサーバーからのサーバーコピーすることでリストア可能です。
※ バックアップデータのリストアは利用者責任で実施してください。
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カスタマイズイメージの活用例
メンテナンス時にイメージを基に踏み台サーバー作成
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バックアップ方法
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対象サーバーに対してイメージ保存します
※ イメージ保存する際に対象サーバーを削除可能です
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リストア方法
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保存したイメージからサーバーを新規構築します。
※カスタマイズイメージを利用して作成したサーバー上ではVMwareToolsによる時刻同期設定がDisableとなるため、必要に応じてEnableに変更してください。
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ワンデイスナップショットの活用例
メンテナンス失敗時に切り戻しとして利用
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バックアップ方法
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対象サーバーに対してスナップショットを取得します。
※取得したスナップショットは取得サーバーに付随されます。作成から24時間経過後、または更新差分が20GBを超えた場合、スナップショットは自動削除されます。
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リストア方法
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スナップショット取得サーバーにリストアされます
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バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud)の活用例 [Acronis Cloud]
Acronis Cloudにバックアップデータを保存
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バックアップ方法
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エージェントをインストールし、Acronis用のWeb管理コンソールからバックアップ計画を作成することで定期実行できます。
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また、Web管理コンソール上で手動実行できます。
※バックアップ完了までの時間については、ネットワーク環境、データ容量により異なります。
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リストア方法
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以下の2パターンでリストアできます。
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Web管理コンソールからの復元指示
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ブータブルメディアを用いたリストア
- 注意事項
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エージェントとマネージャ間で通信が発生するため、クラウド技術仕様/制限値(ニフクラ バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud))_通信要件 を参考に適切なファイアウォールを設定してください。
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バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud)の活用例 [シングルリージョン]
バックアップデータを任意の場所に保存
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バックアップ方法
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エージェントをインストールし、Acronis用のWeb管理コンソールからバックアップ計画を作成することで定期実行できます。
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また、Web管理コンソール上で手動実行可能です。
※バックアップ完了までの時間については、ネットワーク環境、データ容量により異なります。
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リストア方法
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以下の2パターンでリストアできます。
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Web管理コンソールからの復元指示
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ブータブルメディアを用いたリストア
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-
-
注意事項
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エージェントとマネージャ間で通信が発生するため、クラウド技術仕様/制限値(ニフクラ バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud))_通信要件 を参考に適切なファイアウォールを設定してください。
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バックアップデータを任意の場所に保存
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バックアップ方法
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エージェントをインストールし、Acronis用のWeb管理コンソールからバックアップ計画を作成することで定期実行できます。
-
また、Web管理コンソール上で手動実行可能です。
-
バックアップ完了までの時間については、ネットワーク環境、データ容量により異なります。
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リストア方法
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以下の2パターンでリストアできます。
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Web管理コンソールからの復元指示
-
ブータブルメディアを用いたリストア
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-
注意事項
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エージェントとマネージャ間で通信が発生するためクラウド技術仕様/制限値(ニフクラ バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud))_通信要件 を参考に適切なファイアウォールを設定してください
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