DNS:フェイルオーバー
ニフクラDNS から登録されたエンドポイントに対して定期的にヘルスチェックを行い、チェック結果に基づいて、名前解決の応答を異常なエンドポイントから正常なエンドポイントに切り替える機能です。なお、設定可能なレコードタイプはAとAAAAのみです。
レコードの優先順位
プライマリ | ヘルスチェック結果が正常な場合、名前解決の応答として最も優先して返される値を持ったレコードです。 同じレコード名を持ったレコードグループの中では、1レコードのみプライマリとして設定できます。 |
セカンダリ | プライマリのヘルスチェック結果が異常な場合、プライマリの値の代わりに、名前解決の応答として返される値を持ったレコードです。 同じレコード名を持ったレコードグループでは、複数のセカンダリを設定できます。 |
ヘルスチェック
ヘルスチェックのルール
- レコード毎に指定されている個別のヘルスチェックを実行します。
- ヘルスチェック間隔は5分です。コネクションは5秒でタイムアウトし、2回リトライします。
- フェイルオーバーの切り替え対象は、同レコード名で同レコードタイプのグループです。
- ヘルスチェック結果と応答されるレコードの関係は以下の通りです。
結果(プライマリ / セカンダリ) | 応答されるレコード |
---|---|
正常 / 正常 | プライマリ |
正常 / 異常 | プライマリ |
異常 / 正常 | セカンダリ |
異常 / 異常 | ※切替なし |
※ プライマリとセカンダリ両方のヘルスチェック結果が異常の場合、名前解決は1つ前の結果に基づいて応答されます。
アクセス元IPアドレス
アクセス元のアドレスは以下になります。ヘルスチェック先でのアクセス許可が必要です。
175.184.20.96
※このアドレスは予告なく変更されることがあります。
ヘルスチェック先の指定
プロトコル | HTTP/HTTPS/TCPから選択します。 |
IPアドレス | 値で入力したIPアドレスを自動表示します。 変更可能です。 |
ポート番号 | プロトコルでHTTP選択時は80、HTTPS選択時は443を自動表示します。 変更可能です。 |
ホスト名 | プロトコルでHTTP/HTTPSを選択時のみ表示します。 HTTPヘッダーのホスト情報を入力します。 |
パス | プロトコルでHTTP/HTTPSを選択時のみ表示します。 ヘルスチェック対象となるURLのパス部分を入力します。 |
URL | プロトコルでHTTP/HTTPSを選択時のみ表示します。 ヘルスチェック対象です。 IP、ポート番号、パスに応じて自動表示します。編集はできません。 |
注意事項
- TTLが長いと切り替えに時間がかかるため、正常にフェイルオーバーされていても反映されないことがあります。
そのため、フェイルオーバーを使用するときは、レコードのTTLを60秒にすることをお勧めします。
※ニフクラDNSではTTLに指定できる最小時間は60秒です。
- プロトコルをHTTPに設定した場合は、ヘルスチェックがHTTP/1.0で実施されます。
- ヘルスチェック対象サーバーからのレスポンスが301の場合は、リダイレクト先のサーバーに対して引き続きヘルスチェックが実施されます。
- フェイルオーバーと重み付けラウンドロビン機能を組み合わせることはできません。
ロードバランサーとの違い
GSLB(広域負荷分散) | ロードバランサー | |
---|---|---|
負荷分散方法 | ラウンドロビン 重み付けラウンドロビン |
ラウンドロビン リーストコネクション(L4ロードバランサー) |
耐障害性 | フェイルオーバー | ヘルスチェックにより、異常を検知したサーバーを切り離し |
負荷分散機器設置箇所 | DNS権威サーバーを東西リージョンに分散配置 | 振り分け対象のサーバーと同一リージョン |
負荷分散対象 | グローバルIPアドレスが割り当てられた機器 ニフクラ以外に設置された機器も指定可能 |
ロードバランサーと同一リージョンのニフクラ上サーバー 複数リージョンをまたいだ振り分けは不可 |
メリット | リージョンをまたいだフェイルオーバーや負荷分散が可能 DR(Disaster Recovery)の処理を自動化可能 |
ヘルスチェックの間隔と閾値は数秒から設定可能 素早いフェイルオーバーが可能 |
デメリット | ヘルスチェック間隔が5分固定 レコードのTTL(60秒から設定可能)によってフェイルオーバーの時間が左右される |
リージョンをまたいだ負荷分散はできない |