OVMサーバーは、対応OSのみ導入できます。
対応OSは、クラウド技術仕様/制限値(OVM)を確認してください。
はじめに
-
本ドキュメントは、OVM活用ガイドです。
-
ニフクラOVMサービス(以下、本サービスと呼びます)は、富士通が構築した、Oracle DatabaseライセンスのBYOL( Bring Your Own License )が可能なIaaS環境です。
-
本サービスの利用者は、Oracle Databaseライセンスを持ち込むことが可能な仮想サーバー(以降、サーバーと呼び、物理サーバーとは区別して説明します)を所定の方法で作成し、そのサーバーにOracle Databaseをインストールして利用できます。
-
本サービス環境は、パブリック等のニフクラ環境とは異なる仮想化基盤 (OracleVM/Oracle Linux Virtualization) を用いて、構築・運用されています。
-
利用者に共通して提供されている機能やサービスを組み合わせて、システムを構築します。
-
システム要件によってはOVM環境への移行が不可となる場合があります。サービス仕様書及び、本ドキュメントを最後まで確認し、適用可否を判断してください。
-
ニフクラサービスの変更は、最新のドキュメントを参照してください。
適用判断手順の概要
適用判断手順の概要
OVMの適用可否を判断するために、以下の手順を確認してください。
-
OVMで対応できない要件
-
OVMで対応ができないシステム要件や条件などを確認し、適用可否を判断します。
-
-
OVMの適用判断事項
-
システム要件に対応するOVMサービス仕様を確認し、必要となる対処、影響等を検討したうえで、適用可否を判断します。
-
-
提供サーバーOS及びサーバータイプの検討
-
提供サーバーOS及びサーバータイプの選択指針から、利用するサーバーを選択します。
-
対応Oracle DBバージョンから選択します。
-
-
ニフクラとの連係方法の検討
-
システムパターンと運用方式の検討
-
可用性・業務継続性からシステムパターンを選択します。
-
サービス利用上の注意点から運用方式を検討します。
-
-
Appendix
1.OVMで対応できない要件
SLA/移行性
OVMを適用できない主な条件を示します。
以下の不適合条件に合致する要件がある場合、他のクラウドやオンプレミスを検討してください。
不適合条件 |
理由 |
|
---|---|---|
SLA |
クラウドサービスが定義するSLAを超えるSLA提供が必要 |
OVMは、SLA対象外です。詳細は品質保証制度(SLA)についてを確認してください。 |
移行性 |
特定のグローバルIPアドレスが必要 |
OVMサーバーは、グローバルIPアドレスは付与されません。 |
サポート外のOS移行が必要 |
||
OVF+VMDKなどのイメージ移行が必要 |
OVMでは、VMインポート機能は提供していません。 |
動作環境/サポート
OVMを適用できない主な条件を示します。
以下の不適合条件に合致する要求がある場合、他のクラウドやオンプレミスを検討してください。
不適合条件 |
理由 |
|
---|---|---|
動作環境 |
物理機器の利用が必要 |
OVMでは、物理機器は利用できません。
|
システム要件として高性能なCPUスペックが必要 |
提供されているvCPUのみ利用可能です。 |
|
提供されていないOSが必要 |
対応OSは、クラウド技術仕様/制限値(OVM)を確認してください。 |
|
ミドルウェアの製品指定がある商談など、ミドルウェアの動作保証が必要 |
ミドルウェアのサポート可否や動作実績、ライセンスの考え方などは、各ミドルウェア販売元へ確認してください。 |
|
複数NICが必要 |
||
厳密なレスポンスタイムが必要 |
||
インフラ基盤に厳格な動作要件が必要 |
インフラ基盤に特別な設定が必要なシステムは、OVM上で稼働できない可能性があります。 |
|
サポート |
OS等のインフラ基盤より上位層で、OVMに対応していないサポート契約が必要 |
OVMにおけるOS層以上のサポートは、以下のとおりです。
3. ニフクラでは、24時間365日受け付け可能な窓口を用意していますが、回答時間や事象の解決についての保証はしていません。
|
2.OVMの適用判断事項
可用性
利用者の要件に対応するOVMサービス仕様を確認し、利用者側で必要となる対処、影響等を検討したうえで、OVM適用可否を判断します。
No. |
要件 |
OVMの仕様 |
||
---|---|---|---|---|
大項目 |
中項目 |
小項目 |
||
1.1 |
可用性 |
継続性 |
運用スケジュール |
|
1.2 |
稼働率 |
|
||
1.3 |
耐障害性 |
ネットワーク |
|
|
1.4 |
ストレージ |
|
||
1.5 |
災害対策(DR) |
|
性能・拡張性:リソース拡張性、性能保証
No. |
要件 |
OVMの仕様 |
||
---|---|---|---|---|
大項目 |
中項目 |
小項目 |
||
2.1 |
性能・拡張性 |
リソース拡張性 |
vCPU |
|
2.2 |
メモリ |
|
||
2.3 |
ストレージ |
|
||
2.4 |
性能・拡張性 |
リソース拡張性 |
スケールアップ |
|
スケールアウト |
|
|||
2.5 |
性能品質保証 |
|
運用・保守性
No. |
要件 |
OVMの仕様 |
||
---|---|---|---|---|
大項目 |
中項目 |
小項目 |
||
3.1 |
運用・保守性 |
通常運用 |
バックアップ |
ニフクラで提供しているバックアップ関連サービスの中で、ワンデイスナップショット・カスタマイズイメージ・バックアップは、OVM環境では利用できません。
|
3.2 |
運用監視 |
|
||
3.3 |
保守運用 |
計画停止 |
|
|
3.4 |
HA発生時 |
|
||
3.5 |
パッチ適用 |
|
||
3.6 |
運用環境 |
開発用環境の設置 |
|
|
3.7 |
試験用環境の設置 |
|
||
3.8 |
サポート体制 |
|
セキュリティ
No. |
要件 |
OVMの仕様 |
||
---|---|---|---|---|
大項目 |
中項目 |
小項目 |
||
4.1 |
セキュリティ |
アクセス・利用制限 |
認証機能 |
|
4.2 |
利用制限 |
|
||
4.3 |
データの秘匿 |
伝送データの暗号化の有無 |
|
|
4.4 |
蓄積データ暗号化の有無 |
|
||
4.5 |
不正追跡・監視 |
7. Trend Micro Cloud One – Workload Securityについて、2020年1月時点で、富士通によるOVM環境での検証は実施していません。利用者側の判断にて導入を検討してください
|
||
4.6 |
不正アクセス検知・監視 |
|
||
4.7 |
ネットワーク対策 |
ネットワーク制御 |
|
|
4.8 |
セグメント分割 |
|
||
4.9 |
マルウェア対策 |
8. Trend Micro Cloud One – Workload Securityについて、2020年1月時点で、富士通によるOVM環境での検証は実施していません。利用者側の判断にて導入を検討してください
|
データセンター
No. |
要件 |
OVMの仕様 |
選択値・条件 |
||
---|---|---|---|---|---|
大項目 |
中項目 |
小項目 |
|||
5.1 |
データセンター |
外部監査 |
|
|
|
5.2 |
データセンターロケーション |
|
動作環境
No. |
要件 |
OVMの仕様 |
||
---|---|---|---|---|
大項目 |
中項目 |
小項目 |
||
6.1 |
動作環境 |
動作仕様 |
対応OS |
9. 適宜バージョンアップされるため、最新情報を確認してください。
|
6.2 |
サーバータイプ |
10. 適宜バージョンアップされるため、最新情報を確認してください。
|
サービス利用/システム特性/移行
No. |
要件 |
OVMの仕様 |
||
---|---|---|---|---|
大項目 |
中項目 |
小項目 |
||
7.1 |
サービス利用 |
稼働状況報告 |
|
|
8.1 |
システム特性 |
負荷分散への対応 |
|
|
8.2 |
システム連係 |
|
||
9.1 |
移行 |
移行方法 |
|
3.提供サーバーOS及びサーバータイプの検討
提供サーバーOS及び対応Oracle DBの選択指針
OVMで提供しているサーバーOSと対応するOracleDBの組み合わせは、 ニフクラOVM(Oracle Database利用環境) サービス仕様書 別紙 の「対応 Oracle Database バージョン」を確認してください。
※適宜バージョンアップされるため、最新情報を確認してください。
提供サーバータイプ
-
OVMで提供しているサーバータイプは、クラウド技術仕様/制限値(OVM)を確認のうえ、構築するシステムに応じて選択してください。
-
性能指針
-
CPU性能: ニフクラで提供しているType-h2相当の性能となります。
-
ストレージ性能: ニフクラで提供している高速ディスク相当の性能となります。
-
-
Oracle DB以外のOracle製品の利用について
-
Oracle DB以外のOracle製品をOVMで利用したい場合は、利用者自身でOVMでの利用可否をオラクル社へ確認してください。
-
BYOL時に必要となるOracleDBライセンス数
-
ニフクラOVM(Oracle Database利用環境) サービス仕様書 別紙の「Oracle Database ライセンス数」を確認してください。
サーバー提供の形態
OVMにおけるサーバー提供の形態は、下記のイメージになります。
-
OVM提供範囲のみでは、外部のネットワークと接続できません。
-
必ず、ニフクラ環境の「プライベートLAN」を利用して、アクセス経路を確立してください。
-
イメージ図のように、OVMサーバーを利用するには、接続した「プライベートLAN」上で、ニフクラ環境のサービスと組み合わせて利用してください。
-
Oracle Database及びライセンスは提供していません。利用者側で用意・導入してください。
4.ニフクラとの連係方法の検討
ニフクラとの連係方法の検討
-
OVMで作成されたサーバーは、ニフクラ環境と同じく、複数のユーザーが利用する共用環境上に作成されます。
-
OVMサーバーは ニフクラ環境からプライベートLAN 経由でのみ接続が可能な環境 であり、ネットワーク環境はユーザー別に分離されています。
-
外部のネットワークとの接続には、プライベートLAN経由でアクセス経路を確立してください。
ニフクラとの連係方法
ニフクラとの連係に必要となるサービスについて紹介します。
※申し込みからサーバー払出し後のログインまでの手順を紹介している、ニフクラOVM スタートアップガイドも併せて参照してください。
5.システムパターンと運用方式の検討
OVMの利用上の注意点
-
OVMはニフクラとは異なる仮想化基盤であり、コントロールパネルなども提供されていないため、様々な注意点と制約事項があります。
-
以下の注意点と制約事項は、運用方式を検討するうえでの前提条件として、留意してください。
制約事項 |
詳細 |
代替となる対応手段 |
---|---|---|
コントロールパネル非連係 |
Webフォームによる申請で、新規作成など各機能を提供します。 |
|
停止を伴うメンテナンスの発生 |
オラクル社の規約上、ライブマイグレーションが禁止されているため、HA後の復旧作業時や、仮想・物理基盤メンテナンス時には、利用者サーバーの停止を伴うメンテナンスが発生します。 |
Oracle RAC・SEHA環境を構築することで、仮想化基盤メンテナンスの際にも、データベース停止時間の最小化が可能です。 |
オラクル社のポリシー変更による影響 |
オラクル社のポリシー変更により、オラクル製品利用に制約が加わる可能性があります。 |
特になし。 |
【参考】ニフクラのリージョンとゾーンについて
-
データセンターが存在する独立した地域のことを「リージョン」と定義しています。
-
ニフクラを契約すると、複数の国や地域など、地理的に離れた場所にあるリージョンが利用できます。
-
リージョンの中に複数のゾーンが存在し、それぞれ独立したシステムとして運用されています。サーバーが収容されているラックや電源、ストレージなどは、ゾーンごとに分離されています。
※リージョンによってゾーンの数は異なります。
OVMのリージョンとゾーンについて
-
OVMの提供は一部リージョンのみです。詳細は、クラウド技術仕様/制限値(共通:ゾーン別機能対応表)を確認してください。
-
OVMには、ニフクラで提供されているゾーンの概念はありません。同一リージョン内であれば、どのニフクラのゾーンからでもOVM環境へ接続できます。
システムパターンの検討
OVMで適用可能なシステムパターンは、下記のとおりです。
-
OVMはSLAの対象外です。
-
停止時間は、障害発生の状況やシステム構成などによって異なるため、目安としてください。記載の停止時間を実現するには、提供機能以外の部分で、利用者側でも設計・構築が必要です。
災害対策 (地理的冗長) |
ゾーン規模 障害対策 |
サーバーSLA対象 |
許容可能な停止時間 |
推奨適用システムパターン |
OVMでの適用可否 |
---|---|---|---|---|---|
要 |
要 |
対象 |
無停止~数分 |
マルチリージョン:マルチゾーン構成 |
不可 |
不要 |
対象 |
無停止~数分 |
マルチリージョン:シングルゾーン構成 |
不可 |
|
不要 |
要 |
対象 |
無停止~数時間 |
シングルリージョン:マルチゾーン構成 |
不可 |
不要 |
対象外 |
無停止~数日程度 |
シングルリージョン:Oracle RAC・SEHA構成 |
可能 |
|
対象外 |
数時間~数日程度 |
シングルリージョン:シングル構成 スタンバイサーバー利用構成 |
可能 |
||
対象外 |
数日程度 |
シングルリージョン:サーバーシングル構成 |
可能 |
システムパターン比較表
以下に、OVMで適用可能なシステムパターンの比較表を記載します。
シングルリージョン:Oracle RAC・SEHA構成 |
シングルリージョン:スタンバイサーバー利用構成 |
シングルリージョン:サーバーシングル構成 |
|
---|---|---|---|
構成要素 |
|
|
|
シングルリージョン構成のリージョン内で、Oracle RAC・SEHAによるサーバー冗長化を前提とした構成 |
シングルリージョン:サーバーシングル構成に加え、スタンバイサーバーを用意し、障害発生時などのサーバー復旧時間の短縮を目的とした構成 |
シングルリージョンで、サーバーもシングル構成とし、ロケーション及びサーバーを冗長化しない運用を前提とした構成 |
|
物理サーバー障害時の挙動 |
片系でサービス継続
|
HAによる再起動 |
HAによる再起動 |
単一サーバー障害時 |
サーバー切り離し |
スタンバイサーバーへ切り替え+リストア |
サーバー再作成+リストア |
単一サーバー障害時 |
数十秒~数分 |
1時間~+リストア時間 |
|
サーバーコスト |
2台分 |
1台分+スタンバイサーバー分のコスト |
1台分 |
OracleDBライセンスコスト |
2台分(+RAC/SEHAに必要となるオプションライセンス等) |
スタンバイサーバー内のDB有無による |
1台分 |
-
OVMは、リージョン・ゾーン障害に対する対策はとれません。
-
HAが発動すると、別の物理サーバーで再起動されます。
-
HA発動後、元の物理サーバーへ戻すには、サーバーの停止を伴うメンテナンス作業が発生します。
-
Oracle RAC・SEHA構成では、サーバーセパレート機能の利用が必須です。これにより、稼働するVMは、新規作成時とHAからの復旧時に、異なる物理サーバーに配置されます。
-
本サービスでの新規サーバー用意に必要なリードタイムは、ニフクラOVM(Oracle Database利用環境) サービス仕様書を参照してください。RTOが重要な場合は、スタンバイサーバー利用構成、もしくはOracle RAC・SEHA構成を推奨します。
-
本ドキュメントにおいて「OVMサーバー障害」とは、カーネルパニック、OS自体が起動しないなどの状況を想定しています。
シングルリージョン:Oracle RAC・SEHA構成
以下に、システム構成例を実現するために利用者が実施すべき作業を記載します。
No. |
適用システムパターン |
利用者が実施すべき作業内容 |
---|---|---|
1 |
|
OVM環境で、Oracle RAC・SEHAによるサーバー冗長化を前提とした構成例となります。本構成例を実現するために、利用者側が実施すべき作業を以下に記載します。
13. ニフクラ側にバックアップデータ保存用サーバーを構築します。
|
シングルリージョン:スタンバイサーバー利用構成
以下に、システム構成例を実現するために利用者が実施すべき作業を記載します。
No. |
適用システムパターン |
利用者が実施すべき作業内容 |
---|---|---|
2 |
|
OVM環境で、スタンバイサーバーを用意し、障害発生時などのサーバー復旧時間の短縮を目的とした構成例となります。本構成例を実現するために、利用者側が実施すべき作業を以下に記載します。
14. ニフクラ側にバックアップデータ保存用サーバーを構築します。
|
シングルリージョン:サーバーシングル構成
以下に、システム構成例を実現するために利用者が実施すべき作業を記載します。
No. |
適用システムパターン |
利用者が実施すべき作業内容 |
---|---|---|
3 |
|
OVM環境で、ロケーション及びサーバーを冗長化しない運用を前提とした構成例になります。本構成例を実現するために、利用者側が実施すべき作業を以下に記載します。
15. ニフクラ側にバックアップデータ保存用サーバーを構築します。
|
Oracle RAC・SEHA構成
-
OVM環境でOracle RAC・SEHA構成により、サーバー冗長化を確保したシステム構成例の概念図です。
-
図に記載された吹き出しは、RAC構成を構築する場合に設定が必要です。サーバー新規作成申し込み時に、オプションメニューとして同時に申し込んでください。
本パターンを構築するための主要検討事項
No. |
検討事項 |
対策観点 |
検討内容 |
検討時の重点ポイント |
---|---|---|---|---|
1 |
リージョン障害 |
災害対策 (地理的冗長) |
シングルリージョン構成のため、利用中のリージョンが復旧するまでシステムが利用不可となります。 |
- |
2 |
ゾーン障害 |
ゾーン規模障害対策 |
シングルゾーン構成のため、利用中のゾーンが復旧するまでシステムが利用不可となります。 |
- |
3 |
物理サーバー |
メンテナンス時対策 |
計画メンテナンス・緊急メンテナンスの2パターンがあり、メンテナンス期間中は対象サーバーの停止・起動が発生します。 |
|
4 |
ネットワークノード |
メンテナンス時対策 |
ネットワークノードの切り替えが発生し、経路切り替えに伴う瞬間的な通信断が発生する場合があります。 |
|
5 |
ストレージノード |
メンテナンス時対策 |
計画メンテナンス・緊急メンテナンスの2パターンがあり、メンテナンス期間中は対象サーバーの停止・起動が発生します。 |
|
6 |
サーバー |
メンテナンス時対策 |
ネットワークノードやストレージコントローラ切り替えにより、OVM環境上に構築したシステムも、瞬間的な通信断やI/O遅延または断が発生する場合があります。 |
|
7 |
物理サーバー |
OVM環境障害対策 |
サーバーには、HA機能が標準装備されています。データセンター内の物理サーバーが故障などで停止すると、その物理サーバー上で稼働していたサーバーは、別の物理サーバーへ自動的に移動して再稼働します。HA機能により、物理障害からの自動復旧は見込めますが、サーバーは再起動します。 |
|
8 |
ネットワーク機器 |
OVM環境障害対策 |
ネットワーク機器に異常が発生すると、原則、正常な基盤に自動的に経路が切り替わり、復旧します。 |
|
9 |
ストレージ機器 |
OVM環境障害対策 |
ネットワーク機器切り替えの際に、ネットワーク通信断が発生する場合があります。ネットワーク機器やストレージ機器に異常が発生すると、原則、正常な基盤に自動的に経路またはコントローラが切り替わり、復旧します。 |
|
10 |
サーバー |
OVM環境障害対策 |
サーバーのOS層以上は、本サービスでの対策はありません。 |
|
11 |
監視 |
OVM環境障害対策 |
監視環境は、ニフクラ側で別途構築してください。 |
|
12 |
バックアップ |
OVM環境障害対策 |
ニフクラで提供しているバックアップサービスでOVM環境にて利用可能と考えられるサービスは【バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud)】となります。
16. Oracle DBのバックアップは オプション機能:アドバンスドバックアップ により可能です。詳細は ドキュメント を参照してください。OracleDBの対応バージョン、仕様等確認して検討してください。
17. RMANを利用し取得したオンラインバックアップをAcronisにてバックアップする方法も考えられます。
18. 富士通によるOracle RAC構成下での検証は実施していません。利用者側の判断にて導入を検討してください。
|
19. Acronisを利用したリカバリ方法は大きく分けて「AcronisのWebインターフェイスを利用したリカバリ」と「ブータブルメディアを利用したリカバリ」があります。
|
スタンバイサーバー利用構成
-
スタンバイサーバーは、利用者の依頼により、任意のタイミングで依頼元サーバーのコールドクローンとして作成されます。
-
スタンバイサーバーへの切り替えは任意のタイミングで可能ですが、データの復元方法などは別途検討が必要です。
本パターンを構築するための主要検討事項
No. |
検討事項 |
対策観点 |
検討内容 |
検討時の重点ポイント |
---|---|---|---|---|
1 |
リージョン障害 |
災害対策(地理的冗長) |
シングルリージョン構成のため、利用中のリージョンが復旧するまでシステムが利用不可となります。 |
- |
2 |
ゾーン障害 |
ゾーン規模障害対策 |
シングルゾーン構成のため、利用中のゾーンが復旧するまでシステムが利用不可となります。 |
- |
3 |
物理サーバー |
メンテナンス時対策 |
計画メンテナンス・緊急メンテナンスの2パターンがあり、メンテナンス期間中は対象サーバーの停止・起動が発生します。 |
|
4 |
ネットワークノード |
メンテナンス時対策 |
ネットワークノードの切り替えが発生し、経路切り替えに伴う瞬間的な通信断が発生する場合があります。 |
|
5 |
ストレージノード |
メンテナンス時対策 |
計画メンテナンス・緊急メンテナンスの2パターンがあり、メンテナンス期間中は対象サーバーの停止・起動が発生します。 |
|
6 |
サーバー |
メンテナンス時対策 |
ネットワークノードやストレージコントローラ切り替えにより、OVM環境上に構築したシステムも、瞬間的な通信断やI/O遅延または断が発生する場合があります。 |
|
7 |
物理サーバー |
OVM環境障害対策 |
サーバーにはHA機能が標準装備されています。データセンター内の物理サーバーが故障などで停止すると、その物理サーバー上で稼働していたサーバーは別の物理サーバーへ自動的に移動して再稼働します。HA機能により物理障害からの自動復旧は見込めますが、サーバーは再起動します。 |
|
8 |
ネットワーク機器 |
OVM環境障害対策 |
ネットワーク機器に異常が発生すると、原則、正常な基盤に自動的に経路が切り替わり、復旧します。 |
|
9 |
ストレージ機器 |
OVM環境障害対策 |
ネットワーク機器切り替えの際に、ネットワーク通信断が発生する場合があります。ネットワーク機器やストレージ機器に異常が発生すると、原則、正常な基盤に自動的に経路またはコントローラが切り替わり、復旧します。 |
|
10 |
サーバー |
OVM環境障害対策 |
サーバーのOS層以上は、本サービスでの対策はありません。 |
|
11 |
監視 |
OVM環境障害対策 |
監視環境は、ニフクラ側で別途構築してください。 |
|
12 |
バックアップ |
OVM環境障害対策 |
|
22. Oracle DBのバックアップは オプション機能:アドバンスドバックアップ により可能です。詳細は、ドキュメント を参照してください。OracleDBの対応バージョン、仕様等確認して検討してください。
23. RMANを利用し取得したオンラインバックアップをAcronisにてバックアップする方法も考えられます。
|
サーバーシングル構成
OVM環境で、ロケーション及びサーバーを冗長化しない運用を前提としたシステム構成例の概念図です。
本パターンを構築するための主要検討事項
No. |
検討事項 |
対策観点 |
検討内容 |
検討時の重点ポイント |
---|---|---|---|---|
1 |
リージョン障害 |
災害対策(地理的冗長) |
シングルリージョン構成のため、利用中のリージョンが復旧するまでシステムが利用不可となります。 |
- |
2 |
ゾーン障害 |
ゾーン規模障害対策 |
シングルゾーン構成のため、利用中のゾーンが復旧するまでシステムが利用不可となります。 |
- |
3 |
物理サーバー |
メンテナンス時対策 |
計画メンテナンス・緊急メンテナンスの2パターンがあり、メンテナンス期間中は対象サーバーの停止・起動が発生します。 |
|
4 |
ネットワークノード |
メンテナンス時対策 |
ネットワークノードの切り替えが発生し、経路切り替えに伴う瞬間的な通信断が発生する場合があります。 |
|
5 |
ストレージノード |
メンテナンス時対策 |
計画メンテナンス・緊急メンテナンスの2パターンがあり、メンテナンス期間中は対象サーバーの停止・起動が発生します。 |
|
6 |
サーバー |
メンテナンス時対策 |
ネットワークノードやストレージコントローラ切り替えにより、OVM環境上に構築したシステムも、瞬間的な通信断やI/O遅延または断が発生する場合があります。 |
|
7 |
物理サーバー |
OVM環境障害対策 |
サーバーには、HA機能が標準装備されています。データセンター内の物理サーバーが故障などで停止すると、その物理サーバー上で稼働していたサーバーは別の物理サーバーへ自動的に移動して再稼働します。HA機能により物理障害からの自動復旧は見込めますが、サーバーは再起動します。 |
|
8 |
ネットワーク機器 |
OVM環境障害対策 |
ネットワーク機器に異常が発生すると、原則、正常な基盤に自動的に経路が切り替わり、復旧します。 |
|
9 |
ストレージ機器 |
OVM環境障害対策 |
ネットワーク機器切り替えの際に、ネットワーク通信断が発生する場合があります。ネットワーク機器やストレージ機器に異常が発生すると、原則、正常な基盤に自動的に経路またはコントローラが切り替わり、復旧します。 |
|
10 |
サーバー |
OVM環境障害対策 |
サーバーのOS層以上は、本サービスでの対策はありません。 |
|
11 |
監視 |
OVM環境障害対策 |
監視環境は、ニフクラ側で別途構築してください。 |
|
12 |
バックアップ |
OVM環境障害対策 |
ニフクラで提供しているバックアップサービスでOVM環境にて利用可能と考えられるサービスは【バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud)】となります。 [24]
|
26. Oracle DBのバックアップは オプション機能:アドバンスドバックアップ により可能です。詳細は、ドキュメントを参照してください。OracleDBの対応バージョン、仕様等確認して検討してください。
27. RMANを利用し取得したオンラインバックアップをAcronisにてバックアップする方法も考えられます。
28. Acronisを利用したリカバリ方法は大きく分けて「AcronisのWebインターフェイスを利用したリカバリ」と「ブータブルメディアを利用したリカバリ」があります。
|
Appendix
OVMバックアップ/リカバリ運用について
RPOとRTOの検討
先ずは、業務要件より適切なRPOとRTOを検討します。
どの時点のデータに復旧するか(RPO)
復旧させるデータのバックアップポイントとバックアップ方法を決めます。
-
バックアップ取得ポイント
-
月次
-
週次
-
日次
-
メンテナンス時
-
-
バックアップ取得方法
-
フル
-
差分
-
スナップショット
-
REDOログ
-
-
バックアップの保管
-
ローカルのデータセンター
-
他のデータセンター
-
-
バックアップの同期
-
同期
-
非同期
-
どの位の時間で復旧させるか(RTO)
データ復旧にかかる時間を決めます。
-
バックアップの状況によってRTOは変動します。
-
データ同期が不要なシステムのRTOは短いです。
-
参照系のシステム
-
-
データ同期が必須のシステムのRTOは長いです。
-
バックアップのみでのデータ復旧の可否
-
REDOログの適用の可否
-
災害発生時のロストデータの復旧方法および手入力の有無
-
-
データ復旧後の整合性の確認が重要です。
-
自動的な整合性確認の可否
-
手作業による整合性確認の有無
-
-
業務再開における判断基準や判断主体を明確にします。
-
IT管理者側での再開判断
-
システム利用者側での再開判断
-
OVMバックアップについて
RPO、RTOの観点で、ニフクラOVMで利用可能なバックアップ方法について記載します。
パターン |
RPO |
RTO |
条件 |
バックアップ方法 |
適合システムパターン (システムパターンの検討参照) |
||
---|---|---|---|---|---|---|---|
バックアップ時OracleDBの停止可否 |
リカバリ時OVMサーバーの再構築可否 |
Oracleのデータ |
OVMサーバー全体 |
||||
1 |
障害発生直前 |
無停止 |
DBの停止不可 |
再構築不可 |
|
Oracle RAC・SEHAの利用 |
Oracle RAC・SEHA構成 |
2 |
数時間の短期で復旧 |
DBの停止不可 |
再構築不可 |
|
スタンバイサーバー+バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud)を利用 |
スタンバイサーバー利用構成 |
|
3 |
1日程度の長い停止も許容 |
DBの停止可/不可 |
再構築可 |
|
スタンバイサーバーを利用 |
スタンバイサーバー利用構成 |
|
4 |
日次バックアップ取得時点 |
数時間の短期で復旧 |
DBの停止可 |
再構築不可 |
|
スタンバイサーバー+バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud)を利用 |
スタンバイサーバー利用構成 |
5 |
1日程度の長い停止も許容 |
DBの停止可 |
再構築可 |
|
スタンバイサーバーを利用 |
スタンバイサーバー利用構成 |
|
6 |
15営業日以上 |
DBの停止可 |
再構築可 |
|
バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud)を利用 |
サーバーシングル構成 |
- 補足事項/留意事項
-
-
「バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud)」を利用する際は、以下を確認してください。
-
他のバックアップ製品との併用はできません。
-
OracleDBの対応バージョン、仕様等を確認してください。詳細は、クラウド技術仕様/制限値(ニフクラ バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud))を確認してください。
-
-
RMANの利用は利用者の責任範囲です。
-
バックアップ製品を別途持ち込んで導入する場合、提供元にサポート可否等を確認してください。
-
記載内容は、OVMサーバー単体、データ消失レベルの障害を想定しています。ゾーン/リージョン自体の障害は考慮していません。必要に応じて、遠隔地へのデータバックアップ等を検討してください。
-
- 以下の注意事項に関して確認してください。
OVMリカバリについて
各バックアップパターンで想定障害に応じたリカバリ方法について記載します。
パターン |
RPO |
RTO |
条件 |
バックアップ方法 |
想定障害に応じたリカバリ方法 |
適合システムパターン (システムパターンの検討参照) |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
バックアップ時OracleDBの停止可否 |
リカバリ時OVMサーバーの再構築可否 |
Oracleのデータ |
OVMサーバー全体 |
データ破損 |
OVMサーバー 一部障害 |
OVMサーバー 障害 |
||||
1 |
障害発生直前 |
無停止 |
DBの停止不可 |
再構築不可 |
|
Oracle RAC・SEHAの利用 |
Oracleデータのバックアップ方法に対応したデータリカバリ |
片系運用(+復旧作業) |
片系運用(+復旧作業) |
Oracle RAC・SEHA構成 |
2 |
数時間の短期で復旧 |
DBの停止不可 |
再構築不可 |
|
スタンバイサーバー+バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud)を利用 |
Oracleデータのバックアップ方法に対応したデータリカバリ |
バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud)でリカバリ |
スタンバイサーバー+バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud)でリカバリ |
スタンバイサーバー利用構成 |
|
3 |
1日程度の長い停止も許容 |
DBの停止可/不可 |
再構築可 |
|
スタンバイサーバーを利用 |
Oracleデータのバックアップ方法に対応したデータリカバリ |
スタンバイサーバーを利用してリカバリ |
スタンバイサーバー利用構成 |
||
4 |
日次バックアップ取得時点 |
数時間の短期で復旧 |
DBの停止可 |
再構築不可 |
|
スタンバイサーバー+バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud)を利用 |
Oracleデータのバックアップ方法に対応したデータリカバリ |
バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud)でリカバリ |
スタンバイサーバー+バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud)でリカバリ |
スタンバイサーバー利用構成 |
5 |
1日程度の長い停止も許容 |
DBの停止可 |
再構築可 |
|
スタンバイサーバーを利用 |
Oracleデータのバックアップ方法に対応したデータリカバリ |
スタンバイサーバーを利用してリカバリ |
スタンバイサーバー利用構成 |
||
6 |
15営業日以上 |
DBの停止可 |
再構築可 |
|
バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud)を利用 |
Oracleデータのバックアップ方法に対応したデータリカバリ |
バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud)でリカバリ |
サーバーシングル構成 |
- 補足事項/留意事項
-
-
「バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud)」を利用したリカバリ方法には、主に以下の2種類があります。
-
AcronisのWebインターフェイスを利用したリカバリ
-
ブータブルメディアを利用したリカバリ
-
-
OVM環境でのリカバリはすべて、AcronisのWebインターフェイスを利用してください。
-
OVM環境ではコンソール機能を提供しておらず、ブータブルメディアをマウントできません。
-
-
「バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud)」を利用する際は、OracleDBの対応バージョン、仕様等を確認してください。詳細は、クラウド技術仕様/制限値(ニフクラ バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud))を確認してください。
-
「OVMサーバー 一部障害」、「OVMサーバー障害」からの復旧作業では、必要に応じて、Oracleデータもリカバリしてください。
-
- 想定障害についての例
-
- データ破損
-
一部Oracleデータが紛失した。
- OVMサーバー一部障害
-
OSへのパッチ適用後、動作が不安定になった。ただしOSにはログイン可能で、Acronisのエージェントも起動している。
- OVMサーバー障害
-
カーネルパニックの発生やOSが起動しない。
システム構成と補足情報
基本となるシステム構成イメージと各パターン共通の補足情報について説明します。
-
富士通では、Acronisを利用したOVMサーバーのシステムバックアップについて、下記システム構成で検証しています。
-
OVMサーバーとSNAT用のルーターは同一セグメントに配置
-
-
ニフクラで提供するバックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud)は、Acronis Cyber Backup Standardの仕様に基づいています。アドバンスド バックアップ機能はオプションです。
-
Acronisの通信要件は、クラウド技術仕様/制限値(ニフクラ バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud))_通信要件を確認してください。
本構成ではニフクラルーターでSNATを構成していますが、通信要件を満たせば他の構成でも動作可能です。 -
事前に、入念なバックアップおよびリカバリのテストを推奨します。
バックアップ/リカバリ方針のサンプル
サンプルとして、下記パターンに関して、バックアップ/リカバリ方針の例を記載します。
RPO |
RTO |
条件 |
バックアップ方法 |
適合システムパターン (システムパターンの検討参照) |
||
---|---|---|---|---|---|---|
バックアップ時OracleDBの停止可否 |
リカバリ時OVMサーバーの再構築可否 |
Oracleのデータ |
OVMサーバー全体 |
|||
障害発生直前 |
数時間の短期で復旧 |
DBの停止不可 |
再構築不可 |
RMANを利用 |
スタンバイサーバー+バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud)を利用 |
スタンバイサーバー利用構成 |
- バックアップ方針
-
-
OVMサーバーのシステム領域は、パッチ適用などの変更を伴うメンテナンス前後で取得する。
-
Oracleデータは日次で取得する。
-
- リカバリ方針
-
-
Oracleデータは障害発生直前までのリカバリを実現するため、REDOログの適用まで考慮する。
-
以降に本サンプルにおけるバックアップ/リカバリの具体的な実施例を説明します。他のパターンは本パターンを参考にしてください。
-
ニフクラOVMでのバックアップ実施例
例として記載したバックアップ/リカバリ方針に対して、ニフクラOVMで実施するバックアップ例を記載します。- A:スタンバイサーバーを作成
-
-
取得タイミング:事前(最初に作成)
-
- B:システム領域のバックアップをAcronisで取得
-
-
取得タイミング:メンテナンス前後
-
- C:RMANを利用してOracleデータバックアップ
-
-
取得タイミング:日次
-
想定障害に応じたリカバリ方法
以降に想定障害に応じたリカバリ方法の詳細を記載します。
RPO |
RTO |
バックアップ方法 |
想定障害に応じたリカバリ方法 |
適合システムパターン |
|||
---|---|---|---|---|---|---|---|
Oracleのデータ |
OVMサーバー全体 |
データ破損 |
OVMサーバー |
OVMサーバー |
|||
障害発生直前 |
数時間の短期で復旧 |
RMANを利用 |
スタンバイサーバー+バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud)を利用 |
データリカバリ |
バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud)でリカバリ |
スタンバイサーバー+バックアップ/セキュリティサービス(Acronis Cyber Protect Cloud)でリカバリ |
スタンバイサーバー利用構成 |
- 想定障害
-
- ①データ破損
-
一部Oracleデータが紛失した。
- ②OVMサーバー一部障害
-
OSへのパッチ適用後、動作が不安定になった。ただしOSにはログイン可能で、Acronisのエージェントも起動している。
- ③OVMサーバー障害
-
カーネルパニックの発生やOSが起動しない。
想定障害 |
各バックアップ手法で取得したデータのリカバリ必要可否 |
|||
---|---|---|---|---|
RMAN |
Acronis |
スタンバイサーバー |
||
① |
データ破損 |
必要 |
不要 |
不要 |
② |
システム一部不具合 |
必要 |
必要 |
不要 |
③ |
OVMサーバー自体の障害 |
必要 |
必要 |
必要 |
想定障害シーン①のリカバリ
- 発生障害
-
-
一部Oracleデータが紛失した。
-
- リカバリ対応
-
-
RMANを利用して障害直前までリカバリ実施
-
想定障害シーン②のリカバリ
- 発生障害
-
-
OSへのパッチ適用後、動作が不安定になった。
-
OSにはログイン可能で、Acronisのエージェントも起動している。
-
- リカバリ対応
-
-
A:Acronisでバックアップしたサーバー全体のバックアップを、本番サーバーへリストア実施
-
B:必要に応じてRMANでのOracleデータ復旧
-
想定障害シーン③のリカバリ
- 発生障害
-
-
カーネルパニックの発生やOSが起動しない。
-
- リカバリ対応
-
-
A:スタンバイサーバーに切り替え申請
-
B:Acronisでバックアップしたサーバー全体のバックアップを元スタンバイサーバーへリストア実施
-
C:必要に応じてRMANでのOracleデータ復旧
-
スタンバイサーバーにおけるOracleライセンスの取り扱いについての注意
-
Oracleライセンスに関して
-
Oracleのライセンスは基本的に、Oracleをインストールしたサーバーの台数分必要です。そのため、スタンバイサーバーを利用する際は、ライセンスに注意してください。
-
-
以下の2パターンで復旧の手順が異なります。
※上記「バックアップ/リカバリ方針のサンプル」を例に記載しています。その他のパターンの場合は手順が一部異なります。-
Oracleライセンスを二式(スタンバイサーバー分)、用意できる場合の復旧(こちらを推奨)
-
スタンバイサーバーへの切り替えを申請する。
-
Acronisでバックアップしていたデータを、スタンバイサーバーへリストアする。
-
必要に応じてRMANでOracleのデータを復旧する。
-
-
Oracleライセンスを一式に抑えたい場合の復旧
-
スタンバイサーバーへの切り替えを申請する。
-
申し込み受領後、1時間以内に着手します。
-
-
スタンバイサーバーが主系サーバーへ昇格したら、スタンバイサーバーに降格した元主系サーバーの削除を申請する。
-
5営業日以内を目安に実施してください。
-
-
Oracleを導入する前に、主系サーバーを元に新規のスタンバイサーバーの作成を申請する。
-
5営業日以内を目安に実施してください。
-
-
Acronisで取得しておいたサーバー全体のバックアップを、元スタンバイサーバーへリストアする。
-
必要に応じてRMANでOracleのデータを復旧する。
-
-
【参考情報①】スタンバイサーバー利用時のAcronisバックアップ・リカバリについて
富士通での検証結果を元にした情報であり、検証結果どおりの動作を保証するものではありません。
スタンバイサーバー利用時の構成と検証概要
-
Oracle未導入のサーバーでの検証となります。
-
スタンバイサーバー作成のタイミングはAcronisエージェント導入後になります。
-
①Acronisへバックアップ
検証したOSは以下のとおりです。-
Oracle Linux7.6
-
Windows Server 2012
-
Windows Server 2016
-
-
②本番サーバーの疑似障害サーバーを停止
-
③スタンバイサーバーへ切り替え
Webフォームからの申請を受け付け後、1時間以内を目安に着手し切り替えが実施されます。 -
④ ①で取得したバックアップをスタンバイサーバーへリストア
検証方法と結果
- 検証方法
-
-
各OS内にAcronisエージェントをインストールし、Acronis管理画面にてデバイスが登録されたことを確認します。
-
各サーバーのOSの状態を記録します
-
Windows:ネットワークアダプタ名、ネットワークアダプタ内の設定、ipconfig /allの結果
-
Linux:ネットワークアダプタ名、ネットワークアダプタのifcfgの設定、ipaの結果
-
-
各OSをAcronis上にバックアップ
-
スタンバイサーバーの新規作成を申請します。
-
Webフォームから申請してください。
-
スタンバイサーバー作成時にはサーバーが停止されるため、あらかじめ停止させておきます。
-
-
本番サーバーを停止します。
-
ハード故障を想定した疑似障害として、サーバーを停止します。
-
-
スタンバイサーバーへの切り替えを申請します。
-
Webフォームから申請してください。
-
-
Acronis管理画面にて本番サーバーへ昇格したサーバー(スタンバイサーバー)のデバイスが有効になることを確認します。
-
Acronis側から本番サーバーに昇格したサーバー(スタンバイサーバー)へリストアを実施します。
-
本番サーバーへ昇格したサーバー(スタンバイサーバー)にログインできることを確認します。
-
- 検証結果
-
-
検証したすべてのOSでバックアップ・リカバリの正常終了を確認
-
【参考情報②】サーバーシングル構成でのAcronisバックアップ・リカバリ時の考慮点
新規サーバーに対して同一IPアドレスで復元する方法についての情報となります。
富士通での検証結果を元にした情報であり、検証結果どおりの動作を保証するものではありません。
サーバーシングル構成での検証概要
-
Oracle未導入のサーバーでの検証となります。
-
リストア対象サーバーは新規作成となり、Acronisエージェントも別途導入します。
-
①Acronisへバックアップ
検証を実施したOSは以下のとおりです。-
Oracle Linux7.6
-
Windows Server 2012
-
-
②本番サーバーの疑似障害サーバーを停止
-
③サーバー新規作成
Webフォームから申請してください。
※新規サーバーは元のサーバーと同じIPアドレスで申請します。
※本サービスでの新規サーバー用意に必要なリードタイムは、ニフクラOVM(Oracle Database利用環境) サービス仕様書を参照してください。 -
④ ①で取得したバックアップを新規サーバーへリストア
リカバリ時の問題と対処方法
Acronisによるリストア後、復元したサーバーに接続できない事象が発生しました。
- Windows Server 2012
-
- 原因
-
-
リストア後のサーバー再起動時にネットワークアダプタが初期化されたため、IPアドレスが反映されていなかった。
-
- 対処
-
-
サーバー再起動後にネットワークアダプタが初期化されたことを確認後、IPアドレスを指定する(※)ことで、復元したサーバーに接続できます。
-
ネットワークアダプタ名とIPアドレス設定を指定するバッチを作成しておき、タスクスケジューラなどでOS起動時に実行するよう設定しておきます。
「事前バッチスクリプトサンプル(Windows Server 2012)」も参考にしてください。
-
- Oracle Linux 7.6
-
- 原因
-
-
ifcfg-eth0内のMACアドレスを表す「HWADDR」に新規サーバーの値が設定されていた。
-
- 対処
-
-
ifcfg-eth0内の「HWADDR」をバックアップ元サーバーのMACアドレスを指定する(※)ことで、復元したサーバーに接続できます。
-
事前にバックアップ元サーバーで以下の作業を実施しておきます。
-
ifcfg-eth0内の「HWADDR」を記載しない。
-
70-persistent-ipoib.rulesに/dev/nullのシンボリックリンクを作成する。
※IPアドレスなどのネットワーク設定値は、サーバー新規作成時に付与された設定値を指定してください。異なる設定値を指定すると、サーバーに接続できなくなる場合があります。
-
-
事前バッチスクリプトサンプル(Windows Server 2012)
-
対象サーバーの任意の場所に配置します。
-
実行にはAdministrator権限が必要です。
-
バッチスクリプトサンプル
-
ネットワークアダプタ名、IPアドレス箇所は対象サーバーに併せて読み替えてください。
-
DNSアドレスは利用中のものを指定してください。サンプルではGoogle Public DNSを指定しています。
@echo off netsh interface ipv4 set add name="Ethernet1" source=static addr="192.168.1.1” mask=“255.255.255.0” gateway=“192.168.1.254" gwmetric=1 netsh interface ipv4 set dns name="Ethernet1" source=static addr="8.8.8.8" register=non validate=no netsh interface ipv4 add dns name="Ethernet1" addr="8.8.4.4" index=2 validate=no pause exit
-
【参考情報③】Acronisバックアップ・リカバリ時のNG構成例
Acronisバックアップ・リカバリ時のNG構成例
-
下図の構成では、サーバー全体のリストア時にスタティックルート情報が参照できず、バックアップサーバーまで疎通できないため、有事の際にリストアできない構成となります。留意してください。
-
バックアップ構成
-
Acronisへの通信はルーターSNATを利用(緑線)
-
バックアップ先はハウジング環境のバックアップサーバー(紫線)
ネクストホップには、ハウジング環境のルーターをスタティックルートで指定します。
-
-
リストア時
-
サーバーに設定していたスタティックルート情報が参照できないため、バックアップサーバーまで疎通できません。
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参考
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